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健全な部分に目を向ける(49)

どんな疾患や障害の治療でも “悪い部分を治す・取り除く” という攻め方と “良い部分を伸ばす・活かす” という攻め方の2通りがあると思います。これは精神科でも同様です。

認知症でも統合失調症でも、全人格が異常であるなどということは滅多にありません。よく話してみれば、思った以上に考え、感じ、喜んだり悩んだりという健全な精神の営みを行っているのが分かるものです。

周りに迷惑をかけてしまうようなタイプの人では “悪い部分” ばかりを取り挙げられがちです。それを責められ続けることで “自分は駄目な人間なんだ” という思いにとらわれ、せっかく持っている健全さが発揮できなくなっているということもよくあります。

その人なりの良い面をみつけて指摘することは能力の向上や安定につながります。またそうすることで医療者が相手に対して嫌な気持ちを抱かなくてすむというメリットもあります。

文章:精神科やすだ (2007年2月16日初公開)
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