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受容的とは(56)

受容的に接するとは、相手のことを無制限に受け入れるということではありません。これは例えば、相手の言うこと全てに「その通りですね」と応じていたらかえって不誠実に感じられることでも分かります。全てに「イエス」と答えることは、全てに「ノー」と拒絶するのと同じで、相手のことを何も考えていなくてもできることです。

私が思うに、受容的であるとは「自分の責任において、出来ることなら相手を全て受け入れたい」というような能動的な姿勢を保つことです。

そのような姿勢でいると、自分の価値観に照らし合わせて相手の言動をよく吟味しなければならず、相手のことをよく見てよく聴くようになります。また、相手の言動が受け入れ難いものであったときは自分の中に葛藤が生まれ、その解決のために多少の苦しみを味わいます。

そのような苦労や働きかけがあってこそ、安心感や信頼感といった受容的に接することでの良さが生まれるのだと思います。

文章:精神科やすだ (2007年4月11日初公開)
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●このマガジンは私が以前に発行していたメルマガの復刻版です
●この号の初公開時には「出版という野望」などと書き込まれておりました
●もちろん野望は実現はしておりません
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●詳しくは「はじめに」をご覧ください


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