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仮定の形で話をすすめる(9)

妄想を語る人や一方的にクレームをつける人など、言い分に同意しかねる相手と話す時には仮定の形を使うことも有用です。

「もし、あなたの言うように脳のなかで虫が這いまわっているとしたら、さぞ辛いことでしょうね」というように、言い争っても埒があかない妄想については棚上げにして、介入しやすい問題に焦点をずらすのです。

クレームの場合も、相手の言いなりになって安易にこちらの非を認めてしまうと後々のトラブルのもとです。だからといって相手が怒っているという現実を無視するわけにもいきません。この場合も「もしそれが事実だとすれば、お怒りになるのはもっともです」と仮定形で話をします。相手を不愉快にさせてしまったこと(これは事実)については率直に謝るとしても、悪いのは誰かという水掛け論になりそうな問題については「事実関係は後日きちんと調べて報告させていただきます」と慎重かつ誠実に対応するのです。

文章:精神科やすだ (2006年6月10日初公開)
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●このマガジンは私が以前に発行していたメルマガの復刻版です
●当時書いたこの文章が間違っているとは思わないのですが、本当にこの十数年の間に、政治家や経営者など”権力”を持つ者による「まったく謝罪になっていない謝罪会見」が目にあまるようになってきた現状を思うと、すこし言葉足らずな感じもいたします
●至らぬところは脳内で良識による補足を加えながら読んでいただければ幸いです
●クレーム、間違いの指摘など、ご意見がありましたら何でも歓迎いたします
●詳しくは「はじめに」をご覧ください


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