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高齢者のプライド(37)

認知症を疑うとき、スケールを用いて見当識や記銘力、注意力を調べたりしますが、このとき高齢者のプライドには最大限の配慮をしましょう。

軽度の認知症や脳血管型(いわゆる“まだら痴呆”)などでは能力の低下に本人もうすうす気づいており、いきなり「相手を試すようなマネ」をすると、気持ちを深く傷つけることになります。

「入院中は日付が分からなくなることもよくありますしね」などと伏線を張りつつ、「最近ボケてしまったと心配になったりはしませんか?」と尋ねたりしてタイミングをはかり、「すぐできる検査があるので、やってみませんか」などと勧めてみたりするといいでしょう。

以前に「そんなに気を使うこともないかなあ」とふと思って、あえてあっさりと検査を始めてみたことがあります。結果、いきなり機嫌を損ねられて、全く口をきいてくれなくなりました。プライドにはどんなに配慮しても配慮しすぎということはないです。

文章:精神科やすだ (2006年11月28日初公開)
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●このマガジンは私が以前に発行していたメルマガの復刻版です
●この文章自体がきちんと高齢者に配慮したものになっているか少し心配です
●リクエスト、間違いの指摘など、ご意見がありましたら何でも歓迎いたします
●詳しくは「はじめに」をご覧ください


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