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共感の2段階(19)

病気に苦しむ人の辛さに共感し、慰めるときには2つの段階があると思います。その1段目は症状や病気そのものの辛さ、苦しさに理解を示すことです。

2段目は、症状があることで引き起こされる様々な感情に対して理解を示すことです。例えば、ようやく症状も和らいできて仕事に復帰できると期待していた矢先にぶり返してしまった時の悔しさだとか、一生懸命に健康管理をして服薬も守っているつもりなのになかなか症状が良くならないときのやり場のない怒りなどです。

注意したいのは、その人が2段目のレベルで苦しんでいるとしても、本人の訴えとしては「症状が辛い、症状が治らない」という形をとるということです。

慢性疾患などでは一進一退がつきもので、治療が思うように進まないこともあり、誰もが気持ちを揺さぶられてしまいがちでしょうが、こういった心理に配慮することで何とか乗り越えられるという場面も多々あるのではないかと思います。

文章:精神科やすだ (2006年8月8日初公開)
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