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音楽の楽しみ方って色々あるよね #長瀬有花放電 感想

・はじめに

2024/3/30、東京・表参道Wall&Wallで行われた長瀬有花さんのライブ「放電」の夜公演に行ってきました。
先に一言でまとめた感想を言っちゃうなら「とても濃密な長瀬有花の空間で最高!!」って感じなんですけど、ちょっと考えたこと(不満とかでは無いよ)があったので書き起こしてみようかなと思いました。

・「自由」な音楽の楽しみ方、それが出来る空間

「長瀬のライブは手を振ってもいいし声を出してもいいしユラユラしててもいいし静かに聴いててもいいからね〜〜〜」というようなことを以前行われたライブで言っていたという記事を見ました。
個人的にはこの言葉を見て「そうだよな〜 その通りだと思うしライブ怖がってる人も来て欲しいよな〜 でもなんだかんだみんなノリノリなんだよな〜」くらいの感じで考えてました。

話が少し脱線しますが、今の自分はDJイベント・ライブ(2次元アイドル)の2種をメインに音楽イベントに行っています。
この手のイベントでも良く「節度さえ守れば楽しみ方は自由!」と言われることが多いです。そして実際その通りだと思います。
ただ実際はDJがお客さんを煽って空気を盛り上げたり、コール&レスポンスがあるからモニターにガイドを表示したり演者が煽ったり、ある程度「こういう風に盛り上がって欲しいんだろうな」ってのも感じるところもあります。みんなで一体となって盛り上がったり声を出したりした時の爆発力は絶対に1人の力では作り出すことが出来ないものですし、自分はその空気が大好きです。
ただイベントに初めて来たような人や、そもそも大きな声を出すのがあまり得意じゃない人が置いていかれたような気持ちになることもあるんだろうなとも思うこともありました。いくら楽しみ方は自由と言ってもみんなの流れについていけないのは辛いと思う人もいると思います。

話を今回のライブに戻します。
始まって数曲、駆ける、止まるなど「だつりょく系アーティスト」の名に恥じないゆるめの曲が多く、見てる側もゆらゆらしてる人がちらほらいるな、って具合でした。
ただ途中からライブアレンジで激しめのドラムパートがきた時などに声を上げる人達が出てきました。ロックバンドのライブだとよく見る光景だなと思います。
でもそうじゃない、ゆらゆらし続けてる人、動かない人、手をつきあげる人、色んな人がいました。
そして自分はと言うと、本当に珍しく、ただゆらゆらとしていました。いつもなら大なり小なり声を出してるだろうパフォーマンスを見て、盛り上がるより静かに浸りたいという気持ちが強くなっていたんです。
久々の感覚でした。普段なら先陣を切ってでも声を出して、みんなで盛り上がりたいって思ってる気がします。
そして長瀬有花さんはそれを見透かしているように(普段通りかもしれませんが)、とにかく観客を煽らない。目隠しのアレ(なんて言うのか分からないのでいつもARuFaのデカい版って呼んでる)をつけてても分かるくらい、こっちを向いて歌ってくれてる、空間を作ってくれてる。なのにこっちに何かをして欲しいという素振りがほとんどなかった(例外は後述)。
だからこそ心の底から自分のやりたいように音楽を聴くことができました。煽られたら乗ることが観客の自分に出来る唯一の空気づくりだと思ってるからこそ、煽られないことで初めて完全に自由に音楽を楽しむことが出来た。

長瀬有花の作る空間に、自由な楽しみ方ってこういうことなんだ、頭での理解を越えて体で分からせられました。
これカルチャーショックってやつなんだと思います。

そしてもうひとつ驚いたのはMCの少なさ。
ライブが始まる前は、普段のたれながせ(毎週月曜やってる弾き語り配信)で曲間に喋ってるときみたいなあのゆるい感じのMCするんだろうな〜、と勝手に思っていました。
ただ蓋を開けたらバンドメンバー紹介や挨拶など極僅かな言葉しか発さず、2時間近いライブの時間のほとんどを音楽、または雨音(場内BGM)が占めていました。
普段から「MC少なめでその分曲が聴きたい!」って喚いてるオタクなのでたくさん曲やってくれて嬉しいは嬉しいんですが、最低限の説明すらないレベルの喋らなさは流石に初めてでした。
ただこれで嫌な気持ちになったとかそういうことは全くなく、情報が無さすぎると「この流れならこういうことやるのかな」みたいな思案をするタネすら存在しないので、頭を空にしてライブを楽しんでいたことに後で気づきました。

今つらつらと書いている内容のどこまでが長瀬有花さんの手の平の上なのか……もしかしたらただの深読みオタクになってるだけかもしれないですね。
実際のところを知る術はないし、知らなくていいことだとも思います。
ただ「放電」の空間をつくる全ての要素が、自分を自由に振る舞わせてくれて、とても心地良いものだったなと思います。

そして長瀬有花が煽らない、の部分で(例外は後述)と書いた例外の曲についても書こうと思います。

・微熱煙

自分が長瀬有花さんの曲で一番好きな曲です。

2022年の夏頃に長瀬有花さんを知ってから初めて見たオンラインライブ「SEEK」で披露されていました。優しい音、優しい声、なのにほろ苦く綺麗事だけではすまない現実を突きつけられている、「綺麗な闇」のような楽曲だなと感じて大好きになりました。オタクはみんな堕天使が好きなのと同じ感じです。(クソデカ主語)

この楽曲が今回の「放電」夜公演でも披露されていました。

(注)音楽的な知識がある訳ではない&完全には覚えていないので間違ったことを今から書くかも 許して それか誰か教えて

イントロからAメロまで続く繰り返しのメロディが最初は違う音色で演奏されていたのか、「微熱煙なような気がするけど自信が無い」
いきなり音が変わって始まる聞き馴染みのあるイントロ。
1番好きな曲が聴けるということがとても嬉しかった。
歌い出してからも音が少ない状態で進んでいたので「そういうアレンジなのかな」という予想。歌声の優しさをより純粋に楽しめてよかった。
2サビ終わり、今までの静けさが嘘のような轟音、光、ここまで聴いたことないような長瀬有花の力強い歌声。
体が強ばって呼吸が浅くなって全身に鳥肌が立つ、雷にでも打たれたかなというレベルの衝撃。
La La La……のパートでの一言、この日唯一客席に向けてした「一緒に歌って欲しい」という要求。
先程の衝撃ですぐには声が出せなかったけど、2-3
秒でそこそこの声量を取り戻してシンガロング出来た。
周りからも声がハッキリと聞こえてくる。
初めてその場にいる全員の気持ちが揃ったんじゃないか、という時間と空間。
それが美しすぎて涙が止まらなくなってしまい、震える声でシンガロングをして、最後のフレーズ。
再び1人で歌い始め、終わり、音が消えた瞬間の、エモとも違う自分の語彙では言葉にできないような衝動。
ぐちゃぐちゃの視界でとにかく拍手しか出来なかった。

・ライブ終了

正直微熱煙の後はあまり覚えていません。
最後の曲は動画写真撮影OKで〜す と言われて動画を撮り始めたのに容量不足で途中終了して頭を抱えたことは覚えています。つらい

みんな同じ目隠し着けてるのマンガとかに出てくる新興宗教っぽくて良いよね

ライブが終わりこの日泊めてもらう人の家に向かう際、もう一度浸りたいなと微熱煙の動画を開いて何気なくコメントを見たら

表参道でうなだれるオタクが生まれました。

以前のワンマンライブでやったようですし、なんなら「放電」昼公演でもやってたらしいので長瀬有花さん本人はもう叶えている願いですが、自分が今回同じ空間で微熱煙を一緒に歌った一員になれたのが本当に嬉しいなって思いました。

・終わりに

こんな感じでまどろっこしい考えを色々巡らせてたりもしたんですが、とにかくマジで良かったです長瀬有花。過去にないタイプの経験が出来ました。
今回聴けなかった好きな曲もあるのでまたワンマンあれば行くと思います。「ほんの感想」とか「今日とまだバイバイしたくないの」とか生で聴きたい。もっと欲張るならfeat.参加の「宙でおやすみ」や「オレンジスケール(t+pazolite Remix)」とか聴きたい。なんとかなりませんか長瀬さん。

最後に「放電」を作り上げたスタッフ・バンドメンバーの方々、そして長瀬有花さん 本当にありがとうございました!!!


【余談】
ライブ終了後

生きるのが下手

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