危険じゃないふたり 超戦士は眠れない
マイク ミルズ監督の「カモン カモン」という映画に、「世の中の不都合を全て女性が受け止めいている」みたいな内容の話があった。
それで今朝起きると、妻が生理痛で動けない状態になっていて、僕は「カモン カモン」のあの言葉を思い出して、少しでも妻の負担を減らすべく動こうと思った。
今に始まったことではないが、僕は、この世界を変えるのは僕だと思っている。
私生活でも仕事でも、未来のために良いことをしたいと、そう思って行動している。
そのためには、今、何を悪としてみなすのか、それに対して自分はどう立ち向かうのか、ということを考える。
今回の場合は、「世の中の不都合を全て女性が受け止めいている」という仮説を悪とみなし、それに対して、「体調不良の妻の代わりに僕が子供達の相手を頑張るぞ」というのが僕の立ち向かい方になったわけだ。
今日は本来、6歳と8歳の息子達のサッカー教室の日で、妻に代わって僕が連れて行く為に休みを取っていた。
しかし、午後からの雨予報と、サッカー教室は明日の部に参加することも可能になった為、教室には行かず、終日子供達の面倒を僕が見ることになった。
普段であれば僕は意地でも6時55分を超えないと起床しないが、今日は6時40分頃に妻からのヘルプを求める声が聞こえたので、何も文句を言わず起床し、子供達と自分の分の朝食の準備をした。
何も大したことはしていないと思われるかもしれないが、自分の中では「今日は文句ひとつ言わずに妻の力になろう」という意思が固まっていたという点で、普段とは全く違った振る舞いになっていたはずだ。
朝食を食べている途中、妻から提案が。
「子供達二人を連れて、僕の方の実家に帰ってほしい」。
僕は引き受けた。
僕の両親は孫たちと会うのをいつも歓迎してくれているが、自分たちの体力の衰えに対して、孫たちの成長によるパワーが反比例し、年々爺さん婆さんだけでは我が孫たち2人の相手は務まらなくなってきている。
2〜3年前であれば、半日程度なら二人とも僕の両親に見てもうことも不可能ではなかったが、もう今は手に負えない。
それどころか、親である僕たちでさえも、まる1日フルパワーの悟天とトランクスを相手にするのは「まるでスーパーサイヤ人のバーゲンセールだな」的な状態になるのだ。
特に雨の日なんかは、広くもないマンションの部屋の中では、子供達の有り余ったエネルギーを受け止められるわけもなく、それは親であっても相当な覚悟が必要になる。
そんなの、界王神界ぐらい頑丈でなければとても持ちこたえられるものではないし、生理痛を抱えたまま看破できるものでも、もちろんない。
それを、冒頭の「不都合」などと言うつもりはないが、いつも一人で、そう、局面的には一人で戦っている世の母親達こそ、Z戦士だなと思う。
子供は倒す相手ではなく、守るべき存在だ。
この時代に男やら女やら言っているとピントがずれてしまうかもしれないが、世の男性はミスターサタンにならなくてはならない。
魔人ブウの本質を見極め、孫悟空が元気玉を打つ瞬間に「善」の方の魔人ブウを抱えて走ったファインプレーにより、結果的にサタンは宇宙を、ブウを救ったのだ。
サタンがいなければ、魔人ブウはただの悪として、消滅していたかもしれない。
たとえ話が適切かどうか分からなくなってきが、子供のパワーが強大なのは、それがこの世界に必要であるからだ。
あの底知れないパワーが、いつか君をスゲーやつにするのだ。世界を救うのだ。
僕には、Z戦士たる世の母親達のような戦闘力は持ち合わせていない。
でもZ戦士に負けないくらい、この地球のヒーロー然として悪を倒したいと思っている。
だから子供達二人を抱えて(実際は抱えてない)電車に乗って両親の家に向かったのだ。
きっと妻はこう思ったはずだ。
「お前は本当に、世界の救世主かもな!」
まあ、そんなことないか。
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