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ブルージェイズがフリーマンと契約する可能性はあるのか


どうも、ヤスです。ロックアウトになってしまい話題がないため、少し前の話題でも掘り返してみましょう。


まずこちらのツイートをご覧ください。

なぜブルージェイズの名前が? とこれを見た時は私も思いましたが、どうやら元MLB選手のCarlos Baergaが、フリーマンがブルージェイズと契約する可能性があるという主旨のインスタグラム投稿をしたこと(スペイン語で書かれているので正確に読み取れているかは定かではないのですが)が発端のようです。


この話自体は眉唾物として捉えるにしても、可能性を検討するのはおもしろいのではないかと考えたので、せっかくだからやってみましょう。


フリーマンとブレーブスの再契約は?


フリーマンは現在アトランタ・ブレーブスからFAになっていますが、現時点では再契約の交渉がうまく行っていないようです。どうやらフリーマン側が求める巨額の契約をブレーブスが呑むのを躊躇っているとのこと。


フリーマンは6年1億8000万ドルの契約を求めているようで、これが事実ならいかにフリーマンがスーパースターだとしても、来年33歳からの契約で6年は球団にとっては重いかもしれません。



この記事によると、ブレーブスは調停選手の予想額まで含めると来年のペイロールは既に1億3300万ドルほどに達しているとのこと。FangraphsのRoster resourceを見ると、2020年のペイロールが約1億6400万ドル。


これが正確かはわかりませんが、これだとフリーマンと再契約するだけでほぼ同じペイロールになってしまうことになります。ワールドチャンピオンになったブレーブスですが、フリーマンの要求を受け入れられるほどの財政的余裕がないのかもしれません。


ブルージェイズとフリーマンが契約する可能性を検討


最初に結論を書いておきますが、はっきり言って非現実的なレベルです。フリーマンが求めている6年1億8000万ドルは、FA契約史上最高額がスプリンガーの6年1億5000万ドルが最高というブルージェイズにとって、とうてい呑めるものではありません。


このオフにケビン・ゴーズマン、イミ・ガルシアと契約したブルージェイズですが、補強に使える資金としてあと2500万〜3000万ドルほどと言われています。もしフリーマンと契約すると、補強資金は完全に使い果たすことになるでしょう。スターター、ブルペンをもうひとりずつ、2Bか3Bをひとりという補強ポイントが残っているのにです。


さらにポジションの問題があります。ブルージェイズの1Bにはスーパースターに駆け上がったブラディミール・ゲレーロ・ジュニアが鎮座。Sports netの記者であるShi Davidiによると、ブルージェイズはもうジュニアを3Bに戻すことは考えていないとのこと。

According to one industry source, no conversation about a position change happened, 

となると、現実的にはフリーマンをDH専とするか、ジュニアと1Bをシェアする形になるでしょう。しかしフリーマンも今年の守備防御点で+2を記録し平均以上の守備力を持っていて、1B/DHにするのはもったいなさすぎます。


ブルージェイズは現在専任のDHを置いていませんが、レギュラー級のOFがロスターに4人いるため、全員を使うためには誰かが必ずDHに入るしかない状態になっています。ジュニアやフリーマンがDHに入る余地はありません。


と、色々とフリーマンとの契約は非現実的であるという理由を述べましたが、彼がブルージェイズのニーズに完璧にフィットするのは確かです。打者としてのブルージェイズのニーズは左打者であること、出塁できるタイプであること、です。


前者に関して、現在のロスターでは予想ラインナップで左打者がひとりしかいない(2Bに入るであろうキャバン・ビジオ)点、後者はブルージェイズのラインナップにビシェット、ルルデス・グリエル、テオスカー・ヘルナンデス、グリチックと出塁より振っていくタイプの打者が多いため、という理由があります。その点、打者として必要な要素を全て持っているコンプリートヒッターである上、左打者であるフリーマンのフィット感は完璧です(彼がフィットしないラインナップを探す方が難しいかもしれませんが)。


また、フリーマンの両親はカナダ出身のため、カナダに来ること自体は抵抗がないかもしれないという点は多少ですがプラス要素と言えるでしょうか。ケビン・ゴーズマン、イミ・ガルシアとこのオフに契約した選手は、いずれも他チームのオファーよりブルージェイズを選んだという点もいいイメージを与えるかもしれません。チーム自体を売り込む要素は揃っていると思います。



もし仮にですが、現時点でもジュニア、ビシェット、スプリンガー、ヘルナンデスとスターが勢揃いする打線にフリーマンが加わったら、とんでもない打線が完成します。夢のある話ではあります。現実感やサラリー問題を無視するのであれば、それはもう見てみたいものです。ロックアウト明けはまだまだ先になりそうですが、果たしてフリーマンとブレーブスの再契約交渉はうまく行くのか、うまく行かなかったときブルージェイズは彼に本気でアタックするのか、注目しておくとおもしろいかもしれません。