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思春期の悩み 【#青ブラ文学部】

小学6年生のタツヤには、いま気になっている女の子がいる。ミサトだ。

ミサトとは6年生ではじめて同じクラスになった。
彼女のことを意識するようになったきっかけは、ともに修学旅行の実行委員に選ばれてからだ。
放課後に顔を合わせ、一緒に旅行のしおり作りに励む。
清楚でおっとりとしていて、優しい彼女。
ときおり見せる、はにかんだ笑顔に、タツヤはメロメロになってしまった。

そんなタツヤは修学旅行中、ミサトに告白しようと企んでいる。
オッケーしてくれるかなぁ。
あぁ、今からドキドキする。

修学旅行前夜。
お風呂に入っていたとき、タツヤは身体の異変に気がついた。

「え!なにこれ!?」

ふと下半身に目をやると、見覚えのない毛が生えていた。
もしかしてこれが…

そういえば最近、同級生のサトルも「毛が生えてきた」って教えて言ってたな。
ついにぼくにも「そのとき」がやってきたんだ。

しかし、タイミングが悪いなぁ。
明日は修学旅行だというのに。
夜は旅館の大浴場でお風呂に入るから、みんなに裸をみられる可能性がある。
サトル以外の男子からは毛が生えた、ということを聞いていない。
チョロっと生えたこの毛を見られて、みんなにバカにされたらどうしよう。
そして、ミサトにそれを聞かれたら…
ミサトはこういう話は嫌いだと思う。
もし聞かれた場合、告白どころじゃないぞ!

隠せるか?…いや、難しいだろうなぁ。
もう!なんでこのタイミングで生えてきたんだよ!!
はぁ、どうしよう…

剃るべきか、剃らざるべきか。それが問題だ。

洗面所にあったカミソリは、いまぼくの右手にある。
剃ってしまえば、みんなにバカにさせることはない…
ん?でも、まてよ?
もしかすると、みんなもう毛が生えていて、ツルツルの方がバカにされてしまうかも。。
どっちの方がいいんだ!?
剃るべきか、剃らざるべきか…

思い悩んで2時間が経過。
長い夜はまだまだ続きそうだ…

              完(789字)



今回は山根あきらさんのこちらの企画に参加させてもらいました。

山根さん、企画楽しませてもらいました!
よろしくお願いします。

#青ブラ文学部

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