『提案営業』と『押売り営業』

「営業はやりたくないんです。」
「営業は苦手で・・・。」
「営業をやるためにこの会社に入った訳じゃないんです。」

8社で管理職以上の役職を経験して来た中で
部下から不満顔でこんな直訴をされた事が何度もあります。

かく言う私も、営業をやりたくて新卒でテレビ局に入社した訳ではありません。
『感動を伝えたい。』
『事実を分かりやすく知らせたい。』
『知らなかった事を表現したい。』
と若さと希望だけを武器に制作者として社会人デビューしています。

しかし、バブル景気は崩壊。
少し時間差はあったものの、
テレビ業界にもローカル局から不穏な空気が流れ始めました。
そんな時に『自分で企画して、自分で売る!』
と言うミッションで私は営業部に異動しました。

異動から暫くは、『営業』という仕事が本当にイヤでした。
全く適性が無いと思っていました。(今も変わりありませんが・・・)

当時の私が思い描く『営業』は、『押売り営業』でした。
お客様にお願いして、欲しくも無いものを買っていただく・・・
そんな仕事はしたくないと奥歯を噛み締めていました。

番組制作していた時には擦り寄って来た方の中には、
営業に変わった途端に冷たい態度を取る方もいました。
益々、営業職の惨めさを感じていました。

そんな私に気付きの機会を与えてくれたのは、
取引先とのコミュニケーションでした。
元々、番組制作や報道記者だったため、
『話しを引き出す』実地訓練を重ねています。
その力を活用して、取引先の問題や課題を聞き出し、
自分の会社が持っている材料や、
少しの加工で対応出来る内容を盛り込んで提案し始めたのです。

すると、取引先が笑顔で『ありがとう』と言って下さる事が増えて行きました。
当然そこには売上も連動して行きます。
私が苦手で嫌いな『押売り営業』ではなく、
お客様の希望や課題に対する精一杯の『答え』をお話しする『提案営業』は、
私自身が抱いていた『営業職』のイメージ自体を変える事になりました。

「営業はやりたくないんです。」
「営業は苦手で・・・。」
「営業をやるためにこの会社に入った訳じゃないんです。」

もし今そう思っている方がいるならば
自分が思う『営業』の概念を変える試みをしてみてはいかがでしょうか?
お客様が抱いている課題を丁寧に聞き出してソリューションの提案をする。
お客様自身も気付いていない問題や課題を引き出して提案する。
『押売り営業』では得られなかったお客様の笑顔と感謝を引き出せるかもしれません。

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