2021シーズン開幕によせて

2021年3月14日、JリーグのトップカテゴリーJ1から遅れる事2週間、ようやく我々の日常にサッカーが帰ってきます。8シーズン目のJ3リーグの開幕です。今年は初めて上位カテゴリーのクラブの育成セクション(U-23)の参戦が無くなり、純粋なクラブ間の競争になるほか、九州地方で唯一Jクラブの無かった宮崎からJ3に初参戦するなど変化の時を迎え、今年もJ2昇格圏内の2位以内を目指して激しい争いが起こると期待されています。

AC長野パルセイロは3月14日はアウェー開幕。長年のライバル、カマタマーレ讃岐と14時からPikaraスタジアムで戦います。昨シーズン最終節で昇格を目前でさらわれた悔しさを胸に挑む今シーズン、リーグの開幕延期によるしわ寄せで過密日程となった昨季とは打って変わりチーム数減による試合数の大幅な減少により1試合の重みが増したため、スタートダッシュの成否が順位に直結することが予想されます。悲願のJ2昇格を今年こそ成就するため、チームに期待すること、それは…

「去年の3位という躍進をいかに忘れられるか。」

正直言って今年のオフからキャンプまで、そしてトレーニングマッチの結果から察するに他のJ3クラブと比較しても充実した仕上がりできているとは言い難いです。特に憂慮するのは昨季出場した全選手が退団しほぼ総入れ替えとなったゴールキーパー陣です。即戦力と言えるのは7シーズン長野でセカンドキーパーとして在籍し、今季2季ぶりに復帰した田中謙吾くらいで、そのほかはまずプロの水に慣れて意識を変えるところからといったところ。
また、昨シーズンは開幕から10試合で5勝3分2敗で勝ち点18を叩き出し開幕ダッシュに成功しましたが、前述の通りコロナ禍による開幕の延期で年始のチーム始動の早い遅いの差が無くなったという点も否めず、例年通りのカレンダーで開幕を迎えた2019年は同じ10試合で3勝3分4敗の勝ち点12、初勝利は第6節まで待たなくてはなりませんでした。

「2020年3位のクラブではなく、
    今のパルセイロとして
       今の対戦相手に向き合えているか。」

2020年のチームは最後の最後で昇格は果たせなかったものの、勝ち点59を稼ぎ最終節まで昇格を争ったという事実は変わりません。ただ、シーズンが変わればその成績も全クラブ横一線からのスタートになります。今は何のアドバンテージもありません。むしろ、今から築き上げないといけません。
昨年よりも開幕から昇格を期待する声は多く寄せられていて、昨年から引き続き戦う選手たちは最終戦の悔しさを何としても晴らしたいと思っているはずです。ただ、そこで去年の実績を持ち出すと、つまづいた時にギャップから抜け出すのに苦労するから、昇格への思いや去年の悔しさはいったん傍らに置いて、今のパルセイロとして思いっきり戦ってほしいと思います。昨年長野でブレイクし、昇格争いの原動力になった佐相選手(現大宮)が終盤戦のヒーローインタビューで「毎試合決勝戦のつもりで」と言っていましたが、まさに昇格への道を切り拓くのは目の前の1勝の積み重ねだけです。

未だにコロナが暗い影を落とす中で始まる新シーズンですが、今年もパルセイロのサッカーが少なからず長野県をはじめ日本のスポーツシーンを盛り上げることを願って筆を置きます。

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