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スポーツ指導と収入の話し

『スポーツが仕事になる世の中に』

これは自分の自己紹介やプロフィールで言い続けている、私の人生の目標の一つです。

しかしそれは人生をかける価値があるだけあって、簡単ではありません。

自分だけ、自社だけの話ではなく、「そういう世の中にする」と掲げていますから、それは一人の力では到底成し遂げられませんし、だからこそ口にし続け、同志を集い、戦い続ける所存であります。

今回はその目標を達成するまでの期間、如何にスポーツ関係者を増やしていくか(減らさないか)を考えた時、『スポーツ指導をしながら収入を維持する(上げる)方法を世の中に拡散しておくことが有意義なのでは?』という使命感が湧いてきたからです。

殆どが自分の経験や自分の友人知人の実例になりますが、収入に悩むスポーツ関係者の皆さんのお役に立てれば幸いです。


Ⅰ:そもそもの課題

このタイトルで記事を書けてしまうのは、日本にはスポーツサービスを受けることにお金を払う文化が根付いていないからです。

この内容については下記リンクの中で、「何故スポーツ業界は稼げないのか?」というテーマを用いて詳しく書いています。

ただ、この課題に関して言えば、昨今の新型コロナによる働き方の変化が追い風になるかもしれません。

通勤の有無や、勤務場所・勤務時間の多様化。副業への理解など、様々な変化がスポーツ指導者の可能性を拡げています。

大切なのは情報です。

自分の想いつく選択肢だけで諦めるのではなく、一つでも多くの情報や前例を集めてください。

ここからは、私の知る「スポーツ指導者の収入源」について書いていきたいと思います。


Ⅱ:定時で終わり土日が休みの企業に勤める

平日の夕方から夜がトレーニング時間で、土日に試合や大会が入るスポーツ活動。

指導者が常時チームに帯同するには、「定時で終わり土日休み」が絶対条件です。

逆に言えば、その条件さえ満たされれば収入を維持しながらスポーツ指導を両立できます。

しかしこのスタイルには2つの大きな弱点があります。

1つ目は、そのような条件で働ける業種が限られていること。

もし可能だとしても、昇給や昇格に悪影響が出るかもしれません。

旧来、スポーツ指導者に公務員が多いのもこれが理由です。

2つ目は、実質の休日が無くなること。

平日は仕事の後にスポーツ指導。土日は朝から晩まで試合や大会の引率。

これが日本のスポーツ指導者が若くして辞めてしまう理由の大きな要因で、体力や家庭との両立(併せて収入の少なさ)に限界を感じてしまうのです。

近年、学校の先生の労務環境がメディアに取り上げられていますし、このスタイルの指導者は今後確実に数を減らしていくでしょう。

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Ⅲ:二足の草鞋で稼ぐ

スポーツ指導で月謝収入を得ながら、不足分を別の仕事の収入で補うというスタイルもあります。

週2日から4日程度の契約で企業に属したり、アルバイトをしたり、自分で会社を起こしたりと、どちらが主収入かはそれぞれですが、スポーツ活動の合間に仕事をするスタイルです。

こちらは収入額も労務環境も人によって大きな差がありますが、近年着実に増えています。

特に掛け持ちする仕事がバラエティに富んでいますので、今後スポーツ指導を継続していきたい方は、自分に合ったスタイルを探してみるのも良いかもしれません。

アルバイトであればシフト制で労働時間も調整しやすいでし、web制作やブロガーとしてフリーランスになれば、より時間の都合がつきやすくなります。

組織的な事例では、代表がスポーツショップを経営し、コーチ陣でシフトを組んでクラブとお店を運営したり、NPO法人として自治体のスポーツ施設の指定管理を受け、施設スタッフとしてクラブ運営と両立するような団体もあります。

飲食店を経営し、店長や店員を雇い、自分自身は可能な限りスポーツ指導の現場に出ている「経営者兼指導者」も。

二足の草鞋に関しては社会全体において物凄いスピードで拡がっていますが、スポーツ業界の進化・発展のヒントがたくさん詰まっていると思います。


Ⅳ:スポーツ指導一本で稼ぐ

もちろん、スポーツ指導だけで稼ぐのが理想でしょう。

しかし、これがなかなかできないから今の現状があるとも言えます。

ポイントになるのは2つ。

1つは価格設定と人員数。

2つ目は収益事業数の確保です。

価格設定は、「どれだけ収入が必要か」から逆算しなければなりません。

また、人員数は収入額によってコントロールする必要があります。

一人でも多くチームに入れるように価格を安く設定し、少しでも活動内容を充実させるために指導員を増員し、練習環境の確保のため受益者の人数に制限を設ければ、当然自分やスタッフの手に報酬は残りません。

もちろん、価格を上げ、指導員を減らし、プレイヤーの人数を増やせば良いと言うわけでもありません。

価格設定と人員数は、経営感覚を持ったマネージャーが慎重に設定すべきです。

また、収益事業数も大切。

通常の競技スポーツチームは、1日中トレーニングできるわけではありません。

平日の夕方が練習時間であれば、午前中やお昼にも収入源を作れば収益性が飛躍的に高まります。

「事業内容はスポーツに拘りたい」と言うのであれば、フィットネスジムを開設したり、パーソナルトレーナーとして顧客を持ったり、専門学校や大学で非常勤講師をしたり、スポーツアパレルブランドを立ち上げたり、様々な年代に指導の枠を拡げたり。

人員を増やさなくてもできる新たな事業を拡大できれば、顧客単価だけに頼る必要が無くなります。

スポーツ一本で収入源を確保するのであれば、「事業創造ができるか否か」も大きなカギを握ります。

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Ⅴ:勤め先の事業として認めてもらう

私自身が先日知った、最も新しい事例です。

それは企業に勤めながら、業務として地域の少年団に指導することを認めてもらうという手法です。

①平日の夕方2時間程度を仕事として少年団指導に入る

②少年団のお月謝の一部を会社に売上として計上

③チームのユニフォームに企業名を入れて宣伝及びCSR

これは今後、全国に拡がるスタイルだと確信しています。

企業としても、地域密着型の健全な会社であることをアピールできますし、スポーツを特技にした社員の新たな活躍の場を提供することにも繋がります。

スポーツが得意な社員の業務時間の一部を提供すれば、売上も稼ぎながら地域貢献をアピールできるわけですから、もしかしたらプロチームへの協賛よりも需要があるかもしれません。

スポーツ業界の新スタイルに注目です。


Ⅵ:価値を高めていかないと未来はない

いくつかの事例を紹介しましたが、共通した課題は『まだまだスポーツの価値が低い』ことです。

BtoCにしろBtoBにしろ、お金を出してもらえる価値の創出無くしてスポーツ界に未来はありません。

私自身の人生をかけた挑戦は、正にそこです。

しかし私は一人ではありません。

同じ夢や目標を持った同志が全国にたくさんいます。

これからも情報を集め、共有し、一人でも多くの指導者が長く活躍できるように、少しでもスポーツの価値が社会に認められるように邁進します。

皆さんの持つ知恵や情報も是非教えてください。

スポーツ業界・スポーツ関係者一丸となって、スポーツの明るい未来を開拓していきましょう。

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