21/07/02 マザー・グースの令和

【速報】エラリイ・クイーンの傑作『ダブル・ダブル』『靴に棲む老婆』の新訳版、早川書房より刊行決定!

ぃやったあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ早川書房最高!!早川書房最高!!早川書房最高!!早川書房最高!!

直近の新訳版『十日間の不思議』を読んだ直後のツイートがこれですからね。もう一番欲しかったやつ。
『ダブル・ダブル』とか単独記事まで書いて勝手に興奮して熱望してましたからね。超嬉しい~~~~~~!!!

しかも続刊が出るほどここまでの新訳版シリーズが好評だったというのもまた嬉しいじゃないですかぁ。やっぱり中期クイーンは今だからこそ読まれてほしいミステリだと思うんですよね。

『ダブル・ダブル』は前に語ったので『靴に棲む老婆』の話をしていいですか!?
僕この作品に出てくる老婆コーネリア・ポッツが妙に好きなんですよねえ。もうホントに「ザ・クソババア」で好きになれる要素のない人として描かれているんですけど、そこがいい。業とかプライドとか偏愛とか。そして中盤の彼女の行動が結末にもたらした影響を思うと、カッコいいんですよこれが!これはぜひ読んでもらいたいところ。
全部読んでからコーネリア・ポッツの果たした役割のことを考えると確かにタイトル通りこの小説はこの人が中心の話だったなあ…ってなるんですよね。
あとこの作品は中盤で中だるみしない、真ん中らへんでめちゃくちゃおもしろいポイントがあるのもいいですね!それもコーネリア・ポッツあってこそ!やっぱりこの作品の面白さは老婆に支えられてる。エンタメとして非常に上質なミステリです。

ちなみに僕は以前クイーンの一気読みをやったときに個人的に好きな作品ランキングを作っていたのですが、『靴に棲む老婆』は3位でした。1位が『Yの悲劇』で2位は『災厄の町』。今ランキングしたら全然変わりそうだなあ。

そして『ダブル・ダブル』『靴に棲む老婆』といえばマザー・グースの童謡殺人2点セット!
なぜか、なぜか英米のミステリ作家はマザー・グースの歌詞の通りに人が死ぬのが本っっっ当に大好きなのですが、この2作は童謡見立て殺人の取り扱い方がまあひねくれています。このへんはまさに中期クイーンの味。普通の見立て殺人から構造レベルで変えてきます。

…………楽しみ~~~~~~~~~~~!!!