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憧れの国:台湾移住妄想①

いつのころか、台湾のことが心底好きになっていた。
書籍を集め、SNSで情報を集め、動画を見ては嘆息し。
そんな台湾へ初めて行ったのは、
いや伺ったのはちょうど10年前の春のこと。
お金のない(気がしていた)大学院生の私は、
極限まで切り詰めて激安航空券と宿を予約。
台北に1週間ほどの滞在を計画した。

たどり着いたのは台北安宿。2011/3/3-3/5
https://www.taipeinavi.com/hotel/181/
正直に言うと、台北の記憶はほとんどない。
こわごわ立ち寄ったルーローファン屋と、
ただただごちゃごちゃした夜市と、
その時飲んでお腹を壊さずに済んだパパイヤミルクだけ。
なんであんなにおいしく思ったんだろう…。

そういえば、1つだけよく覚えているのは
郊外の温泉地に足を延ばしたこと。
地下鉄ですぐにいける北投温泉かと思いきや、
バスにがっつり乗って行く山奥の紗帽谷温泉エリアだった。
https://adelhaid.exblog.jp/23318330/
親切なおばさんが下りる場所を教えてくれて、
ちなみに、とクーポン券をくれたのがこの温泉だったのだ。
ほとんどの台湾の温泉は水着がいるらしいという知識だけはあって、
ひやひやしたのを覚えている。
あと、歩きすぎてつかれた足を湯の中でもんでいたら叱られたことも。
今、この施設はもうない。

個人的ベストは台中。今でもこれは揺るがない。2011/3/6
きっかけは伊東豊雄なんだから、彼には感謝しても感謝しきれない。(建築の趣味は合わないけど)
さして最新状況を調べもせず台中オペラハウスに向かって爆速で向かったが、びっくりするほど終わっておらず。ただの工事現場にがっかりした私。
かなり駅から離れていたにもかかわらず、また駅に戻るのに歩き倒した。
その時、暑すぎてふらりと立ち寄った
パッケージの素敵なパイナップルケーキ屋は
いまやこのエリアで飛ぶ鳥落とす大ヒット土産だ。
日出グループ:http://taiwanwind.jp/shopping-food-20190408/

夜、高雄へ向かう普通列車で台中を発つときに
古い建物、赤い提灯をともす家々、
オレンジのガス灯がぼんやりと照らすホームに
極限のノスタルジーを感じて、
この国に住む自分が少しだけリアリティをもって私の中に入って来た。

高雄は明るい昼のまちだ。2011/3/6-8?
日差しが強く、白い光の中でなまぬるい空気が漂ってる。
優しいオーナーがやっていたあひる家(https://ahiruyah.com/jp/)で
味を占めた私は台北の日本人ゲストハウスを期限内でキャンセル。
悪いことではないのだが、電話したときのがっかりしたおじさんの声は
今でもよく思い出せる。
「…でもその気持ちわかるよ。高雄めちゃくちゃいいところだもんね。」
※記録が残っていて山田屋さんだったようだ。
https://www.facebook.com/yamadaya.tw/

思い返せば、この台湾旅行では
要所要所の風景で光と温度と故郷京都のようななつかしさが記憶に残ってるだけ。
そこから本格的に移住したいと思うようになるには10年かかる。

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