見出し画像

”ビジネスパーソン風”人間

こんな大人にはなりたくないな〜

我が家は食卓を囲みながらテレビを見る習慣があったので、その日も家族でテレビをいつものように見ていた。ビジネスマナーについてのクイズ番組だった。

席次はどれが正しい?とか乗車位置とか、名詞の渡し方とかビジネスメールの挨拶文とか、当時高校生だった私はなんでこんな細かいことまでルールがあるんだろう、誰が決めたんだろう、これを守る意味はあるんだろうかとサラリーマンの父に訴えた覚えがある。なんて答えられたかは曖昧だけど確かそれがルールだからみたいに言われて「意味わっかんなーい!日本のなんか意味不明な面倒臭いマナーってやつか。そんなの私が大人になったらぶっ壊してやんぞ!」と勝手な改革宣言をした記憶がある。

黒髪じゃないとダメだとか、ヒールを履かないとダメだとか、名刺は相手より低い位置から渡して貰ったら名刺入れを座布団にして自分の左側に置くとか、長ったらしくて普段見ない言葉を使った定型文の挨拶メールとか、車の乗車位置は運転手によって変えなきゃいけないとか、「ビジネスマナー」というものが無数にあってそれを徹底することがビジネスパーソンの基本である。できてないと常識知らずだ。

高校生の頃の私は社会人としての当たり前が理解できなくて、私は新しい時代の人だから理解しなくていいんだ!とかいう見事な世間知らずを発揮していた。

でも社会人1年やってきて、ビジネスマナーをみんなが守る理由が分かってきた。商品知識とか経験値では圧倒的に不利な新人でもビジネスマナーの本さえ読んでいれば先輩たちと同じようにできるし、マナーが一律で決められてるから名刺の置く位置で迷ったりエレベーターに乗る位置に困ってウロウロすることもない。こうなったらこうと決められているから、そこに敢えて労力をかけずにこなしてすぐに商談に入ることができる。まあ最初は間違えたりスムーズにできなくて先輩たちに小声で直されたりしてたけど。

というような思考回路をついに持つようになってしまい、ビジネスパーソン風社会人がまた一人生まれた気がした。※あくまで風の人間でビジネスパーソンには程遠い。

今、高校の頃のテレビ番組を父親の立場で見てたらおそらく父親と同じように「ルールはルール」って答えてるだろう。つまんない大人なんかじゃない、それが働く人なんだもの。

当たり前という一言で片付けられる事はこの世にたくさんあるけど、私の当たり前はごく一部の人の当たり前で、だけど当たり前という言葉があるおかげで私の狭い世界ではスムーズに進むから結構ありがたい。

でも私はこの世界から早く出たいんだ・・・まず第一にやりたい事とかけ離れすぎている。就活中の私が決めた事だから何も言えないし、この狭い世界に入れば世界が危機に瀕している時も変わらず給料貰えててい、良い環境ではあるんだろうけどやっぱり早く出たい。ないものねだりかな〜




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?