お一人様で何が悪い

二人旅と三人旅は大して変わらないけど、一人旅と二人旅は大きく異なる。私は一人旅も好きだし、複数人で行く旅行も好きだ。それぞれ違う楽しみがあって、デメリットもある。まあ今だからそう思えるけど、この考え方が正しいと思わないように気をつけなきゃいけない。

でも別に小さい頃から好きこのんで孤独になる環境を作るわけではなかった。小心者だし、自分をしっかり持ってるわけではなくて周りに流されがちで、グループの中で誰かにくっついていく方が落ち着いた。それなのに、なぜか今は孤独が大好きだ。グローバル職(転勤がある職種)で地方配属になって家族や友人と離れて暮らすことを自ら選んだ。自分にどんな心境の変化があったのか、と振り返るとやはり旅は大きな要因になってると感じる。

なんで突然こんなことを考えるようになったかと言うと、この記事を見つけたからだ。

この記事では「孤独」はネガティブなものだけではなく、「役立つ健康的な孤独」が存在することを紹介している。この記事を読んで、なんか自分の考えが肯定されたような気がしてホッとした。もしかしたら、みんなもそう思ってるのかなあ。

記事では孤独のメリットとして以下の4点を挙げている。

社会的なプレッシャーから離れられる
自分の価値観や興味を再認識できる
自主性や選択力が高まる
心理的に健康になる

これに「あーわかる」と共感できるのは間違いなく、一人旅をするようになってからだと思う。一人旅をし始めた時は、まさか考え方まで変わるとは思っていなかった。就活が終わって友達と予定を合わせることすら手間に感じて一人海外旅行することを決めたんだっけ。そんな単純な理由で始めたのに、ここまで影響を与えるとは。

最初の一人旅は緊張の連続だった。初心者バックパッカーが行きがちな東南アジアの一国に行ったけど、空港を出た途端、全部自分でやんなきゃいけないという責任で一気に怖くなった。海外在住経験があるからまあ海外大丈夫だろう、なんて高をくくっていだ。在住当時は親に任せっきりだったし、唯一一人で海外渡航を経験をした語学留学では、空港に迎えてくれるスタッフがいた。でも、今回はがちの一人。宿も、宿に向かう手段もその場の自分次第だった。タクシーの運ちゃん圧めっちゃすごいし、ゴミゴミしててよくわからんし、とにかく怖かった。なんとか交渉してタクシーに乗ることになったけど、果たして宿に着くのか心配だった。このままどこかに連れ去られたらどうしよう、あとで高額のお金請求されたらどうしよう、運ちゃんを完全に悪者としてみていた。

ところが、運ちゃんはとっても親切だった。Airbnbだったこともあって宿に大きな看板がなく、見つけるのが困難だった。運ちゃんはその辺の人たちに聞いてくれて、周辺をぐるぐる回って宿を探してくれた。2階のレセプションまで荷物を運んでくれた運ちゃん。疑って本当にごめんなさい。

それから予め組んでいたスケジュールをこなしていったが、夜行バスを予約するときも、レストランでメニューを教えてくれるときも、お店でも、どこでもみんな親切にしてくれた。現地の人とたくさん会話できたし、自分がやりたかったこと全てできた。初の一人旅は1週間ほどだったけど、日本に帰る頃にはすっかり一人旅が大好きになっていた。自由と言う言葉が本当にぴったりな1週間を過ごせた。それからと言うもの、南米やアフリカまで一人でどこまでも行った。アフリカでは国境付近の外務省HPで治安要注意的なことが書かれた町まで繰り出して、現地の人たちと仲良くなった。

そんなこんなで「私一人でも全然生きていけます!」「一人でどこまででも行けちゃいます」ポジションを確立し、周囲の人からも「よく一人で行けるね」的なことを言われることが増えた。

でも決して複数人でいることができない、と言う訳ではない。クラスで常に一人でいるタイプでなかったし、気があう友人であれば数週間の旅行も一緒に行ける。

要するに、複数人でいる時も常に「幸せ」と感じられれば万事OKなんだ。肝心なのはバランスなんだ。そのバランスは人によって違うだろうし、状況によっても異なる。「一人だから・・・」とか「◯◯ちゃんと一緒じゃないと・・・」とか言う理由で自分の行動を制限したくない。複数人いないとできないことまでさすがに一人で全部できます、とか嘘は言わないけど、周囲の目を気にせずに自分の思うがままに生きていけたらなあ、なんて思う。

ま、周囲の目気にしてなかったら今の会社に勤めてないと思うけど。

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