2024/03/19ジモティーと東京について

今日も今日とてウーバーイーツの配達。ベッドから起きて口をゆすいで水と毎日飲むサプリを飲んで、とりあえず着替える。
何も予定が無い日はいつも、昼までパジャマでだらだらしてしまい、上からジャージを羽織れば、そのままコンビニくらいなら全然行く。今日も予定が無かったが、私は今定職に就いておらず、ウーバーイーツのドライバーであり、今日は稼がなければいけなかったので、とりあえず着替えた。
毎日やる習慣を身に付けたければ、その行為に対するハードルを、なるべく下げることだ。いきなりウーバーイーツに出かけようとして、原付バイクを駐輪場の奥から引っ張りだしたり、配達に必要な荷造りをするのではなく、とにかくまず着替える行為だけを目標にする。着替えはどっちみち必要であり、とりあえずこの行為を達成することだけを考え、着替えた後ウーバーイーツに行くかどうかはまた別の問題として、一旦放置してしまおうという訳だ。
そうして着替えることにさえ成功すれば、ウーバーイーツに対する準備が一つ完了して、何となく配達に向かうモチベーションも湧いてくるというものだ。やる気が起きてからやるのではなく、やる気は行動しないと起こらないのだ。これは小学校の頃から親や先生に言われているが、最近やっとこの教育が自分に効いてきた。実際は経験からようやく気付いたのであり、教育は既に無駄になっている気がする。
3時間ほど世田谷区や杉並区の街から街、駅から駅を走って、さまざまな飲食店を巡り、店で商品を受け取って届けることを繰り返した。自分が来たことのある店の品を届けたり、とおったことのある住宅街へ配達もしたが、知っている顔を見ることはお客さんの内ではおろか、店員さんの内でも、ついに一度として無かった。よくもこんなに人間は居るものだと、自分も人間なのに思ってしまう。東京は人が多い。色々な人が色々な駅に住んでいて、似たような生活をして、似たような人生を歩んでいるが、同じものは一つとして無く、その内の大半の人生と交錯すること無く私達は一生を終えていく。

同居人とルームシェアを解消するため、使っていた家具を処分しようと、ジモティーに登録した。
処分する家具の中でも、冷蔵庫と洗濯機はリサイクル家電という分類になり、捨てるにはそれだけでお金がかかるため、誰かに引き取ってもらえれば楽だと思い、もらってくれる人が居れば幸いくらいの気持ちで、0円で出品した。午前中に出品して、何とその日の内に応募者が3人も来た。これはひょっとして無料で出品したのは間違いだったのではないかと思い、引き取りたいと言う人の過去の取引を見ると、その内の一人は業者の方のようで、過去にも複数の家電を有料で買い取っていた。出品したものと同じ冷蔵庫を5千円で買い取っている履歴もあった。何だか損をした気分になったので、無料で出品してしまった洗濯機の金額を3千円に直して、あらためて取引してくれないかと、応募者してきた彼らにメッセージを送ったが、3人ともに断られたり、無視されてしまった。
一生関わることのないであろう人間と、ジモティーを経て一瞬交錯した人生は、たったの3千円への欲で離れていき、同時に私は、冷蔵庫をタダで引き取ってもらう手段を失った。
3月だというのに、今日はひどく冷える。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?