見出し画像

ごはんについて書くための習作75

妻の実家は長野県にあって。お盆の行事(迎え盆、送り盆など)があるので、なんだかんだ毎年帰省についてきている。8月13日。迎え盆らしい。ただ、私はいつも通りの定期の仕事があるので、10:00と14:30に定例ミーティング。妻の実家はクーラーがない。これまで必要ではなかったが、さすがに来年は設置予定らしい。今朝は雨でいくらか涼しかったが、それでも作業デスクも高速インターネットもない場所では難しい。6歳の息子は普段会わない親戚らにずっと話しかけている。昨日、夕方についてからずっと。

車で5分ほどの場所に見つけたドロップインで利用できるシェアオフィスへ。1,800円/1日。ドアはアプリから開錠するタイプ。出る時も開錠が必要だとは思わず、コンビニに出ようと、施錠されたドアを引いてドガンと音を立てた。その後、何人かが同じことをやっている。初めての利用なのだろう。みんなも帰省についてきたが、お盆が別に休みじゃない仕事、もしくは、クライアントと仕事があるのだ。オープンスペースに5〜7人、奥にある半個室は10部屋満室(一部屋空いてたが、漫画喫茶の個室みたいに上が空いていて静かだったのでやめた)。今もドアがドガンと音を立てた。11時35分。アプリから開錠してスムーズにランチを探しにいく。

このシェアオフィスから5分ほど歩いたところに、フライフィッシングの専門店がある。何度か車で前を通ったことがあり、調べてInstagramをフォローしていた。フライフィッシングを私はやっていない。やっていない釣りの専門店、しかも個人店で小さめ。入店するのが難しい。せっかくならと目の前まできたが、やはり難しい。とりあえず、昼ごはんを探すことにして通り過ぎる。しばらく北、新幹線の駅がある方に歩くと、カーディーラーや牛丼屋の看板の向こうにイオンが見えた。ロードサイドの看板はでかい。観光客向けの郷土料理風な店がいくつか見えたが、イオンのフードコートに行くのがいいと判断。イオンの看板もまあ大きく、周りを取り囲む駐車場まで10分ほど歩いた。駐車場から店内に向かう様子は、車で来たように見えるだろう。

子供を乗せるカートは残り一台。カゴが積まれた入り口を抜けると、マクドナルド、ケンタッキー、31アイスクリーム、銀だこが並んでいて、人もたくさん並んでいる。夏休みのショッピングモールという感じ。フードコートは2階。エスカレーターの近くにあるスタバは空いているが、そのまま2階へ。文字通り老若男女で賑わうフードコート。飲食店はスイーツをメインとした店が2つ。ご飯屋はうどんとラーメンの2店舗。うどんもラーメンも10人くらい並んでいて、スタバで済ませてしまおうかと思うが、ラーメンの列に並ぶ。足元に魚釣りゲーム(磁石の付いた釣竿とクリップの付いた魚の絵が描かれた紙)が置いてある。夏休みの子供向けに、お子様セットを注文するとゲームができて、その結果で右に置かれたオモチャと駄菓子が貰えるよう。先に席を取っておいた方が良かったか。自分の後ろにも列ができ始める。「味玉醤油拉麺」を注文。6番の呼び出し機をもらう。

各々好きな引き具合で椅子に座っていて、間を通るにも全体を見る必要がある。ラーメンを持って隙間を抜けるのは大変そうだなと思いながら、注文した店とは真反対にあるカウンター席を確保した。ダスターで机を拭いて、音をたてながら震える6番。ラーメンを受け取り、横の色々置かれたコーナーで箸とレンゲと紙ナプキン2枚を取り、胡椒をふる。急に立ち上がるなよ、という念を送りながら少し遠回りをしてカウンターに戻る。

このシェアオフィスを夏休みの勉強場所に使ってる学生も多いようだ。月額会員11,000円。24時間利用可能。クーラーを買うよりは安いか。パソコンに向かってテキストを打つ私と同じ空間で、ペヤング的なものの湯ぎりが行われ、ソースの匂いが広がる。

ラーメンの表面は透明な油が5mmくらい層になっている。背脂の匂いがするが、背脂自体は見えない。向かいのテーブルに座る幼稚園児の視線を感じる。昨日、親戚の小学生に青い髪の毛を指さされたことを思い出す。かっけー!というのでやればいいよと言うと、学校で怒られるからできないとのこと。その子の母親、妻の従姉妹は髪を青くしたいと思っていたところだった。油の層がある割にはそこまでラーメン自体が熱いわけでもなく、特筆することもないまま、食べ終わる。胃もたれする気配を感じてスープは飲まない方が良かったが、狭いテーブルの隙間を抜けていくことを考えると少ない方が安全。半分くらいまで飲む。が、念の為、フードコートのテーブルを囲む通路をぐるりと回って返却口にいく。

1階にあるスタバの前で水出しコーヒーを買う。トールサイズ。パスモで。支払い方法を伝えるとき、PASMOの利用圏外である地域で、パスモでと伝えるときに毎回躊躇する。さっき入らなかったフライフィッシング専門店の入り口にはベンチが置いてあって、そこに飲みかけのコーヒーを置く。扉を開けると目の前がレジで、人の良さそうな60代くらいのオーナーらしき男性。この店、知ってますよ、という気持ちを込めて挨拶をした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?