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ごはんについて書くための習作14

昨日は朝からあんまりついてなくて。昼も気分転換に山の上の美術館のカフェでパンを食べようと思ったら「パン屋との契約終了のお知らせ」を目の前で突きつけられ。パンを食べるためだけの年間パスだったのに。どんより午後を迎えたけど、新しい案件の制作チームキックオフをして、私の活きが良くなった。仕事も早じまい。
スキルはもちろん大事だが、クライアントを取り巻く文化や文脈について話せるチームが好み。

今日は昨日より活きが良いので、久しぶりにパーソナルシェードを持ち出し海辺でパンを食べることにした。

借りているシェアオフィスが熱海なのだが、先日の豪雨もあって久しぶり。オフィスは土砂崩れの場所から離れているのであまりその様子を感じることはなかったが、自衛隊の車両が町中を走っているのをみる。
オフィスを管理するスタッフと連絡を取りつつ、私にとっても誰にとっても、居場所のひとつがなくなるのは良くないことなので、私のふるさと納税を充てることで少しの祈りとした。

昨日のどんよりとした具合よりも天気がよい。13:30から入れている打ち合わせまで1時間。湾の向こうの釣り公園まで行く時間はないが、海を眺めながらパンをかじるには十分。借りている赤いロッカーの中から椅子とシェードを取りだし、古くからあるらしいお菓子屋で売っているサンドイッチと餡ドーナツ、紙パックのコーヒーを買う。
途中の公園に消防車が7台くらい並んでいた。息子に見せるために写真でも撮ろうかと思ったが、彼が写真を見ても今すぐここに来られるわけではないので辞めた。

いつものヨットハーバーの端で椅子とシェードを準備する。もう3分も掛からない手際の良さ。周りに人はいない。少し急いで出てきたせいで手や口を拭くものを忘れた。サンドイッチと砂糖の掛かった餡ドーナツだというのに。口はマスクをすることで砂糖がついていることを隠すことができる。
日差しが強い。太陽が少し傾いているので、右腕に日差しが当たっている。椅子の向きを変えることで陰にできそうだが、一度座った椅子の向きを直すのは「日差しを気にしすぎてそうな感じ」があるのでそのままにした。目の前の手すりの間から、遠くにある入道雲が見える。

13:30から来週のクライアントとの打ち合わせに向けた、打ち合わせ。釣りを一緒にしたりする友人と。仕事するのはこれが初めてだが、昨日の打ち合わせと同じく、案件を取り巻く文脈の中で大事にすべきものが共有できるので気分が良い。

今日もこの気分のまま早じまいして、近所の酒屋でビールを買おうと思う。

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