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ごはんについて書くための習作19

週末は鯛釣りをしていた。前職で部長を務めていた釣り部のメンバー3人と、友人を含むゲスト3人。合計7人で、16人乗りの釣り船を「仕立て」と呼ばれる貸切で。粗密具合でいくと粗だ。釣果は私が鯛2枚、ワラサ1本で竿頭(一番釣った人)。部長の座は譲っても、竿頭は譲らない。
薄い魚は「枚」で、細長い魚は「本」と数えるのか。間はどこだろう。ニザダイあたりか。もう少し体高のない釣魚がいそうだが。

朝は前の日に作り置きしていた鯛のあら煮と、残っていた鯛めし。子供の夏季保育が予定されていたが、着替えて送迎バスに向かうためにドアを開けたところで、中止のLINEが届く。幼稚園もギリギリの判断。仕方ない。
送迎バスに合わせて朝の準備を終えていたので、たまったビンをゴミ捨て場に捨てながら、少し早く駅へ向かう。朝、冷凍庫に氷がなくてコーヒーが入れられなかったので、駅のスタバで甘いフラペチーノを買った。一本早い電車。会社に行くわけでは無いので、乗らないといけない電車があるわけではないが、なんとなくいつもより一本早い気がする電車に乗った。

シェアオフィスのあるこの駅前は今日も人が多い。海の方へ引っ越して、もうすぐ4年。東京に出づらくなった今では、タイミングがよかったのかもしれないが、人が獲ってきた魚を、人が調理して、人と食べる方が旨い。東京はいいところだと思う。
午前中は「東京」の和食料理屋のウェブサイトの実装を粛々と作業しながら、午後の打ち合わせの内容を少し思い返していた。トップページのスタイルがなんとなく目処がついたので、いつもの駅前で買ったパンと椅子を持って出る。今日はソーセージトルティーヤと、チーズとエノキのパン、そしてよく買うクリームチーズとハチミツのフランスパンだ。何度も通っているが、惣菜パンが多くて、悩む。ベストな組み合わせは、甘くないパン(バターロールとかクロワッサンとか。クロワッサンでもやや濃い)+惣菜パン+甘いパン。

いつものヨットハーバーでパーソナルシェードの下、パンをかじる。目の前に豪華そうなクルーザーがとまっていて、我が家(賃貸)より平米数がありそう。2家族か1家族か、子供が3人くらい、海に飛び込んだりして遊んでいる。わざわざヨットハーバーに停泊させながら遊ばなくても、と思ったが、隣の海水浴場は遊泳禁止中。プライベートビーチということか。クルーザーから落ちると簡単に上がれなくてサメに食べられるイメージだったが、後ろがスロープみたいになるのは知らなかった。
200円のパンをかじっている私の耳に入る、男の子のはしゃぐ声が、すでに裕福な様相を呈している。

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