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ごはんについて書くための習作23

冗談で借りてもいい値段の物件があって、場所としての事務所設立欲が高まっていたのだが、他の人から申し込みがあったそうで、ダメになってしまった。やる気喪失。友人の物件探しもそうだけれど、感じの良い物件が少なくて。出てきて「これいいかも」と思ってる間に、誰かが申し込んで。自分のモチベーションが無駄に切りつけられる感じが辛い。
土地を買うか、未開の地を開墾するところから始めるしかないのか。

先週は休みも多く、比較的、自宅作業をしていたので、久しぶりに朝からシェアオフィスへ。天気もよかったのでいつも通り駅前商店街のパン屋でパンを買う。塩バターロール、コロッケパン、クリームチーズを乗せた甘いフランスパン。月末まではイートインはやっていない様子で、食事テーブルでも別店舗への配送準備をしている。隣の駅にも小さな支店がある。イートインを利用するときはそちらを使っている。
午前中、日本酒の酒蔵のサイトデザイン打ち合わせ。それとは別案件で、午後に説明してもらう業務委託契約書の内容を眺める。企業対フリーランスらしい内容。いくつか調整をお願いしたい箇所をそっと下線引く。Wordファイルに。

正午過ぎ。まだ天気がよい。いつもの椅子とパーソナルシェードを持って出る。この前、物件探しをしている友人に、私がこのブランドは持たなそう(本人注:多くの人が持っているモノを持つのが苦手そう)だと思ってたら、そのことも日記に書いてあった、と言われた。記憶がなくなりやすい私もそのうち買った理由も忘れて、ブランドへの偏見と持っていることだけが事実として(物置に)だけ残ったとき、読み返せるよう.txtファイルをDropboxに保存する。

椰子の木がしなる程度に風が強い。軽い分、この屋根は風には弱い。仕方なく荷物となったそれが入ったトートバッグをヨットハーバーの見えるベンチに置き、鳶がいないことを確認しつつ、パンをかじり始める。
パン屋の個別包装。いつも買うクリームチーズを乗せたパンだけ、ちょうどいい袋がないのか、ラップに包まれていて、自宅手作り感が漂う。クリームチーズにハチミツが混ぜられているので、食べ終わったあとのラップは丁寧に丸める。

思っている以上に物件のことが残念で、周りの風景の記憶が薄い。パンをかじっている間、ずっと足下にいた三角の茶色い蝶くらいしか印象に残っていない。よく見かけるこの蝶、名前は後で調べて(「蝶 三角」で検索)、『セセリチョウ』の仲間ということが分かった。

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