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ごはんについて書くための習作15

会社員を辞めてそろそろ1ヶ月が経とうとしている。働き方には殆ど変化はないし、ランチについても同様。ただ、(リモートワークになってから思っていたことではあるが)人の仕事の様子が見えないのは、なかなかの不安。
同じ守秘義務の傘の下、ふとした瞬間に作業が見えるというのは会社の一番良いところなのではと思う。自分で調べて、ひたすらにやればいい。とも思うが、そうでない人や、そうでないタイミングの人がいるのである。

勤続年数に比例して増えるワークスペース、不要なSlackの通知が来ていた頃が懐かしい。そして、昼飯は今日もパンだ。フォカッチャみたいな生地の間に、レタスとマスタードのきいたベーコン、目玉焼きが挟まれた新商品をメインとした。BLTサンドということか。

夏休みに入ったからか、普段は私しかいない椰子の木の並んだスペースに、子供連れの家族がいた。それでも、いつもの椰子の木は空いていたので、気にせずいつものパーソナルシェード付きの椅子を設置する。

海に向かう途中、道の横を流れる川(ドブのように低い位置にあって階段から降りていける)に掛かる橋の下に座れるような石造りのベンチを見つけた。ここでも涼しくパンを食べられるのでは?と思ったが、日が差さなすぎるし、上から見ても「橋の下でパン食べてる人」にしか見えないので、やめた。

ヨットハーバーにはとても背の高いプレジャーボートが留まっていて、男性2人、女1人が出発の準備をしている。女性だけ水着だ。無事帰ってこれないようなフラグを感じるが、ちょうど12時のフェリーが出発するタイミングで同じく出港した。遊覧船も出港した。

BLTサンドを食べながら、午前中にデザインしていた和食料理店のサイトのハンバーガーメニューの名前を思いついた。3本の横線に、明朝体の筆の跡(うろこ)を添えた和の雰囲気を感じさせるデザインで、「和三盆(三本)」と名付けた。ただ、和三盆は一切扱っておらず、駄洒落の域を超えなかったので、来週の提案では話さないようにしたい。

仕事場に戻る途中で、セブンイレブンでコーヒーを買う。新しい方のマシンは自分でサイズや内容物を選択することなく勝手に判断してくれる。パッケージの色とかで入れる内容物を判断しているのかな、と腰をかがめながらマシンを眺めていると、水着の女性4人組が入ってきた。間違って更衣室にいてしまったような感覚。

夏が始まっている。納期が近い。

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