⑱[介護ライブレポート]実家の売却

遠く離れた場所で一人暮らしをしている親に介護が必要になったとき、最初に考えたのはウチの家に引きとるか、施設に入所するかでした。
この選択肢ではどちらにしても、現在、義母が住んでいる家は空家になってしまいます。
だから、ウチのケースでは実家を将来的にどうするのかを考えました。
例えば、土地も家も売却する場合、介護の資金が多くなり、選択肢も増えるからです。
介護資金だけでなく相続も関係するので、正解はその家の事情によって異なりますが、この機会に「実家をどうするのか」を話し合うのはとても大切だと思います。親が比較的元気な状態のときに話し合い、家族全員が同意できる案を出しておくこと。

ウチは話し合いの結果、土地と家を売却することに決まりました。

「在宅ひとり親の介護」は、2つの問題で悩みます。
ひとつは「いつまで介護をするのか」。
で、ふたつめは「はじめての経験なので、やり方がわからない」なんですが、実家を売るというのが、まさにこれ!
漠然と不動産屋さんにお願いするんだろうなぁとしか、思いつきません。
遠く離れた土地なので、どの不動産屋さんに頼めばいいのか? 
まさか、電話一本で済むわけもいかないし。ということは、何回も現地にいかなければならないのだろうか?
そもそも、こんな田舎の土地が売れるのかも想像がつきません。
経験がないので、とてつもなく高いハードルに思えてきました。

取りあえず、妹の旦那さんが現地の不動産屋さんを一軒知っているということなので、紹介いただきました。
義母を迎えに行ったときに、第一回の打ち合わせを行いました。
内容は、こちらの意向の説明、物件の確認、売却の進め方の説明、実家の家屋・土地の写真撮影です。
今後の連絡方法を確認して終了。

そして、この後にドラマが待っていました。
この日、不動産屋さんとの打ち合わせが終了した後、実家の隣の人が最後のお別れを言いに訪問してくださいました。
義母がお世話になったことのお礼や他愛もない雑談をしておりますと、耳よりな情報が入ってまいりました。
このお隣さんには息子さんが2人おりまして、何と地元の不動産関係の会社にお勤めしているとのこと。
売却するなら力になりますと言ってくださるではありませんか。
この方は、この場所の魅力も欠点も知り尽くしております。だって、実家の隣の方ですので・・。

早速、連絡をとり、見積もりをお願いしました。
「ご縁」の大切さを実感しましたなぁ。

合計で2社の不動産屋さんに土地・家屋の見積もりを出してもらったのですが、比較して驚きました。
なんと、販売予定価格が300万違うのです。

見積もりのスタンダードな方法は、まず周辺の土地の売買から、その土地の相場を調べます。
この相場が基本になり、価格にプラスになる要素やマイナスになる要素を差引して販売予定価格が算出されます。
販売予定価格の差は、このプラス・マイナス要素をどう設定するかによるものです。
(ちなみにこの要素がどれくらいの価格に反映されるかは、見積もりにきちんと書かれてます。)

家族で2社の見積もりを検討して、会議を行いました。
もちろん、販売予定価格の高い方にお願いをしました。

ウチと同じようなケース、つまり実家の売却をお考えの方は、複数の会社に見積もりをお願いすることをオススメします。(常識かもしれませんが・・)
可能であれば、その内の1社は、地元の不動産会社が理想です。
理由は、プラス要素もマイナス要素もバッチリ把握しているからです。その土地に詳しい方の説明は、着眼点や説得力が違います。

また、売却をするまでの時間があるほど、売り手に有利だそうです。土地・家屋の売却は、時間的な余裕をもってくださいまし。

2021年度はこのコンテンツが最後になります。
[介護ライブレポート]を読んでくださった多くの方々、本当にありがとうございました。
心より感謝申し上げます。
皆さまの応援や激励が、どれほど嬉しかったことでしょうか。
来年も全力で書き続ける予定です。
私のレポートが、少しでも「介護」や「親孝行」のヒントになりますように。

以上

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