[介護ライブレポート]薬篇 「薬局でもらう薬」の基本的なこと

以前、薬の「飲み忘れ」と「一包化」をレポートしたところ、もっと基本的なことから教えてほしいとのリクエストをあるご高齢の方からいただきました。
確かに、薬に関する知識は人によってかなり差があります。ですから、今さらとは思いましたが、今回は「薬局でもらう薬」の基本をまとめたいと思います。
遠くに住む親御さんが薬を飲んでおられたら、さりげなく話題にしてみてください。

[処方せんの有効期限]
お医者さんの診察を受け、処方せんが発行されます。調剤薬局に行き、処方せんの薬が用意されます。
この処方せんには有効期間があるのをご存じでしょうか?
医療機関から処方せんを発行された日を含めて4日間です。
「お薬が家に残っているので、今日の薬は後日もらおう。」にご注意してくださいね。

[「飲み方」がわからなくなったとき]
お薬の飲み方がわからなくなったとき、最も速い解決方法は薬をもらった薬局にTELすることですがそれ以外に解決方法があります。
・薬袋を見る
 お薬が入っている袋を「薬袋」(やくたい)と言います。この袋には、飲み方や使い方が書いてあります。
 薬袋のデザインは薬局によって少し異なりますが、「用法」と書かれた部分が飲み方になります。
 用法とは飲む回数や時間、用量は1日もしくは1回に飲む量のことです。
 
・薬剤情報提供書を見る
 お薬とともに渡された薬の説明書になります。こちらにも、薬の飲み方が書かれています。

[食間]
飲み方に関してときどきご質問をいただくのが「食間」です。
食事の約2時間後にお飲みください。まれに「食事中に飲む薬」と勘違いされるケースがあります。

ちなみに「内服薬」とは、口から飲む薬で、「外用薬」とは体に塗ったり貼ったりする薬です。目薬も外用薬になります。

[頓用 頓服]
「頓用」「頓服」(とんぷく)と書かれた薬は、その症状が出たときに飲む薬のことです。
多くの内服薬は、毎日決まった時間と回数で飲みますが、「頓用」「頓服」は発作や症状がひどい時に服用します。
痛み止め、熱さまし、下剤など多くの薬が使われます。
薬の種類、年齢、症状によって使い方が設定されますので、薬局で説明を聞いておいてくださいね。
具体的には「1日何回まで飲めるのか?」「続けて飲む場合は、間隔をどれくらい開けるのか?」です。

[薬を飲むときはコップ1杯の水かぬるま湯で]
特別な指示がない場合、内服薬はおよそコップ1杯の水またはぬるめの湯で飲んでください。
水の量が少ないと、薬が食道に張り付いてしまい、胃に届かずに薬の吸収に影響するかもしれません。
ちなみに、水といってもミネラルを豊富に含む硬水は避けた方がいいでしょう。マグネシウムやカルシウムは一部の薬の吸収に影響を与える可能性があるからです。
普通の水(水道水)で大丈夫です。

[私の薬は効くよ]
他の人の薬をもらう。他の人に自分の薬をあげる。これ、時々あります。
私の薬を試してみたら?という親切心ですね。私の経験では、痛み止めの湿布、睡眠導入剤が多いように思います。
しかし、原則的に薬のやりとりはご法度です。
薬は、その方の病気の程度、年齢、合併症や併用薬などによって診察した医師が最適なモノを選択しているからです。
その人には良く効いても、他の人には害になる場合もあります。
お薬は「あげる」のも「もらう」のも止めにしましょう。

もし、自分の薬があわない、効果が不十分だと感じる場合には、主治医に相談してみましょう。
先生が処方した薬にケチをつけるようで言いづらいと思う必要はありませんよ。

[薬の保管]
薬はデリケートです。過酷な環境では、性質が変わってしまう可能性があります。
具体的には「高温」「多湿」「直射日光」を避けて保存をお願いします。
(「冷所保存」の場合には、冷蔵庫で保存してください。)

一人暮らしの高齢者の方に注意いただきたいのが、里帰り(盆暮れ)です。
里帰りの際に小さなお子さんが遊びに来る可能性に注意してほしいという意味です。
コロナ禍で機会は少なくなっているかもしれませんが、小さいお子さんが自宅に遊びに来るときは薬は手の届かないところに置いてくださいね。

[冷所保存]
冷所保存の薬は、「冷凍庫」ではなく「冷蔵庫」で保管してください。
坐薬、注射薬(自分で打つ注射薬)などが対象になると思います。

[薬の整理]
定期的に家の中の薬を整理しましょう。1年に1回程度でいいと思います。
期限切れの薬は未開封でも処分しましょうね。
かかりつけの薬局がある方は、処分の相談をするのもアリです。

以上、薬局(病院)でもらう薬の基本的なことをまとめてみました。
ご高齢の方でお薬を飲まれている方の参考になれば幸いです。

今回の記事が皆さまの親孝行に役立ちますように。


以上

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