日記 2019.11.23

受験生なのにアニメを全話観てしまった。うつ病なのに受験生なんかやってて、それだから受験生のくせにアニメを観てしまう。

このままでは他の受験生に負けてしまう、落ちこぼれてしまう、一生暗闇の中で過ごさねばならない、そこまで恐怖でいっぱいになりながら、どうしても続きが気になって仕方なくて観てしまうアニメはまさに蜜の味。

ふと、私は、将来はお先真っ暗であると今の今まで生まれてこのかた一度も疑いもせずにあがいてきたけれど、実際はそうでも無いんじゃないかと考えてみる。ああいう怖い話は、大人が子どもを怖がらせて勉強させるためだけに誇張して語られているのではないか。けれどやっぱり現実が残酷ではないとは言いきれず、現実は情け容赦無く私たちを打ちのめしてくる。それは誰かの幸せになっていたりもする。

いやいやそんな事は考えずに、私がけっこう頑張っているという事を褒めてみよう、塾で出会った、私立大学生バイト塾講師よりも私は頭が良かったじゃないか。…

こんな事で比べている私が一番馬鹿なんだろうな…

もう考えるのやめよう。

歯磨きをして、早く寝よう。

歯磨きしながら将来の予想もつかない事に想像をめぐらせて、さらに落ち込む。やっぱり私は努力とかが足りないんじゃないか。一回鬱という石ころで大きく脱線した人生を人並みに取り戻す事など少しの努力では足りなくて、私はほかの電車がスイスイ走っていくのを砂漠の中で呆けたように口を開けながら一生眺めているくらいしか能が無いのでは無いか。

あ〜!もうやめやめ!歯磨きを終わらせて、水を飲む。そして感傷に浸る。鬱なので。

鬱、めっちゃ辛かった。今も辛いけど、他の人よりはマシになってる。薬も安定剤だけになったし、ちゃんと体も動かせるし、頭の動きもなめらかになってきた感じがある。でも辛い。でも人並みに不幸がるには症状が軽すぎる気がする。私は何者でもないのか。ただの不幸自慢人間とかになっていやしないか。何かを言い訳にして怠ける事で、さらに人に遅れをとって、結局笑い者にされるのが一番嫌だ。死ぬのより嫌だ。何よりめちゃくちゃみじめな気分になる。人に可哀想とか思われるのも嫌だ。でも今の現状については、大変だね、とか、頑張ってるね、って思われたいナルシストな自分に気づいて、そのくせ何故か飢えて渇き切った人間の気持ちが分かったような気持ちになるのは何故か。全部ぐちゃぐちゃだ。

結局、小さい時に、「もうだめだ」と思った時から、死ぬ前の一瞬の時間を永遠に引き伸ばして、その味のなくなったチューインガムみたいな道を歩き続けているに過ぎないような気がする。ここは異世界か。そうか。もう全部諦めているけれど、死ぬ前の刹那に諦めきれなかった事が多すぎる。そしてそれが今も増えていっている。いつかチューインガムでは包みきれないほどのものが溜まったら、この世界は壊れて私は現世に戻れるのか戻れないのか…

頑張って無いんじゃないかという恐怖、頑張って無いからおまえは落第だと言われ人生がめちゃめちゃになるんじゃないかという恐怖、とにかく世界は恐怖に溢れている。でも、他の人も頑張っているっぽいけど、裏の顔を見てみると、みんなどこか抜けていたり、だらしなかったりする。さっきの私立大学生なんか、私より全然頑張ってないのにちゃんと大学生してる。落ちこぼれても、手段さえ探せば、すくってくれる網はあるのだろうな。これが最近得た知識。私は落ちるのが怖くて目が開けられなくて、何も探せなかったから、どんどん落ちて行ってしまった。這い上がってきた今なら、また落ちても目だけはしっかり開けておけということだけ覚えていれば、何とかなるんじゃないのか。そもそも、私より辛い「他の人」も、私より頑張っている「他の人」も、たくさんいるけれど、それが何だと言うのだ。私だってけっこう辛いし、けっこう頑張っている。だからアニメ観ても別にいいのだ。私なりに頑張っているし、たまにはボーナスくらい必要だろう。

今日観たアニメは、これから大変になっていくんだろうな〜という感じで終わっちゃったし、今も原作が続いているそうだ。これ以上の深追いをしたら受験生としてとてもアカンことになるだろうし、ウィキペディアのネタバレあらすじを読んで満足することにした。

基本的に、ハッピーエンドが好きだ。いつもなんか辛い毎日を、その世界にさえ飛び込めば、少し安心して、心が休まる、そういう部屋が欲しいだけなのだ。小学生の時はそういう児童書のみ繰り返し読んでいた。悲しい結末だと、本という安心できる筈の世界で、いきなり冷たい手に心臓を鷲掴みにされて、平手打ちビンタされて現実に引き戻されたような気分になった。

でも、今は、主人公が「世の中の理不尽」みたいなのを理解している話は、自分にも通じるところを感じて、面白く読める。スポーツのルールみたいにフェアな話である。いかにそのルールの中でパフォーマンスするかが重要。明瞭な話だ。何も理解していない主人公が現実に翻弄されていく系はどうにも受け付けない。まったくフェアでは無いじゃないか。それにそろそろ世の中の理の一つや二つくらいさっさと気づけよ主人公。

ま、世の中の理分かっててもどうしようも無いのが現実なんですけどね。2杯目の水を飲む。アニメを見たという罪も、水を飲めば薄まるような気がした。




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