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掌歌集


みぞおちに小さな湖飼っている 揺らさぬように 濁らぬように


ばらばらでひとつになれやしないのに全て行き着く先はひとつだ


未来など構ってられやしないのさ 鼓動のビートアウフタクトで


冬にさすひかりがとても綺麗です 絵画の中で歌いドライブ


ふいに来る涙のわけを聞いてやる べきもベターもベストもないよ


天高く歌えとベートーヴェンが言う 歓喜は僕の手の中にある


痛みすら美しくなる 誰ひとり聴いてなくとも私は歌う


植えましょう 明日世界が滅んでも祈りを込めて水やりしましょう


真夜中に鏡の中で踊ってる 息する度に肩が動いて


溜息も肯定したい 感情の溢れるさまを世界に贈る


うっとりと心の奥の悲しみの震えを見てる 涙流れる


頬伝う涙の形を肌が知る 見えないけれどとっても綺麗


歌のなか木々・蟻・私同等でどこへもゆける 生はあいまい


夕方の空が好きだということを私はおまもりみたいにしてる


全身で彼の声から感じたい 濡れて煌めくその悲しみを


健全な昼の光がごまかしたそれを闇夜がはがしゆく アラ


ほんとうのしあわせなんてわからない だけどおみそしるはおいしいね


夜に浮かぶ列車の音がこだまする 孤独の隣 煙るしずけさ


詩作する 心に湖満ちてゆく 見えないものに耳を澄ませる


ドラム鳴り腰が動いて血は騒ぐ 鏡の中の君に歌うよ


馬鹿だろう 踊り狂って身を潰し最後に残るはその瞳だけ




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