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「やさしい日本語」辞書を作ってみた?

「やさしい日本語」に書きかえをするとき、
皆さんはどんなツールを使っていますか?

・リーディングチュー太 https://chuta.cegloc.tsukuba.ac.jp/
・やんしす  http://www.spcom.ecei.tohoku.ac.jp/~aito/YANSIS/  
・やさにちチェッカー http://www4414uj.sakura.ne.jp/Yasanichi1/nsindan/

上記以外にも、私は下記を参考にしています。

弘前大学社会言語学研究室の
・これさえあれば!!「やさしい日本語」作り方ガイドブック
・これさえあれば!!「やさしい日本語」図鑑~掲示物の活用~
・生活情報誌作成のための「やさしい日本語」カテゴリーⅡガイドライン
・生活情報誌作成のための用字用語辞典

行政などが作成した「やさしい日本語」資料の
・【出入国在留管理庁、文化庁】別冊やさしい日本語書き換え例
・【横浜市】「やさしい日本語」で伝える
・【港区】やさしい日本語による公文書

これらに掲載されたデータをそれぞれ引っ張り出して、検索するのは手間ですよね。いくつかを一発で検索出来たら便利だろうに・・・。

ということで、単語確認作業が楽になる方法を2つご紹介します。
ただ、PC操作やエクセル操作がある程度できる方向けです。

出来上がったデータを配布することは権利関係などが難しいのでしていません。あくまでも方法のみのご紹介ですので、ご容赦ください。

その1 エクセルを活用

『生活情報誌作成のための用字用語辞典』にはpdf版とエクセル版があります。そこで、そのエクセル版を拡張した形で、上記冊子のデータをそれぞれエクセルに取り込み、検索する方法です。

『生活情報誌作成のための用字用語辞典』には、(1)生活情報誌から集めた語彙のリスト、(2)難語言い替えリスト、(3)難語言い替えリスト 整形、(3)旧試験2級以下の語彙のリスト、付録 難易度付き漢字表
がまとめられていますので、それに加えて上記のデータを入れます。

カテゴリ―Ⅱであれば、「検索してヒットすれば使える」「無ければ言いかえを考える」が基本です。

〔エクセルの検索方法〕
・エクセルデータを開き、
検索(Ctrl+F)→オプション→「シート」を「ブック」に変更
しておけば、各ブックを順に検索してくれます。

・最初のブックの「A1」のセルに、「TOP」などの名前をブックレベルで付けておけば、検索前にこの位置に簡単に戻ることができて便利です。
(詳細は「エクセル セルに名前」でネット検索してください)

それでも、操作に時間がかかります。
語句を入力したらパッと表示させることができないかと
いろいろ調べて見つけたのがこれ。

その2 PDICを使った「やさしい日本語」辞書

PDIC(Personal Dictionary) はPDICは英和辞書などの検索、辞書作成を行うためのWindows用アプリです。英辞郎もこのソフトで使っていますので、すでにお持ちの方は辞書データを追加すれば使えます。

自作でき、修正や加筆ができるため、翻訳家などが自分の翻訳データなどを保存、使用して使えるとほか、辞書データ追加、自作できるのが利点です。

基本的には、
このソフト(無料、有料どちらでも使用可)をPCにダウンロードする
辞書データを作成してこのソフトに追加する
以上で使用できます。

例えば、「WORD」という欄に「外国」を入力すると

Personal Dictionary を使った検索

上記の場合、『日本語初級3・4級語彙表』『生活情報誌作成のための用字用語辞典』(旧試験2級以下の語彙のリスト、難語言い替えリスト)のデータから情報を一度に表示してくれるので、かなり時短になります。
and検索やor検索、訳/用例内の検索機能のほか、様々な機能もあるようです。(まだまだ勉強中)

〔辞書データの作成方法〕
辞書データはマイクロソフトのWordでもエクセルでも取り込めるそうですが、私はエクセルに情報を入れているので、これを編集して使用しました。
具体的な手順は以下です。

①エクセルのA列に検索ワード、B列に表示したいデータを作成します。
すでに『生活情報誌作成のための用字用語辞典』を使っていたので、これを編集して使いました。

エクセルで編集したデータ

知りたい情報として、カテゴリ―Ⅰに使える言葉かどうか、書きかえた例文、出典などをひとつにまとめています。エクセル内の改行もそのまま使えて便利です。

②編集したエクセルのデータはCSVにして保存します。
③PDICを開き、辞書を追加します。

以上で辞書として使うことができます♪♪

ただし・・・
使い勝手のいいようにデータを作成するのが大変です。
試行錯誤に相当時間がかかりました。
楽をするためには手間も仕方ないですね・・・。

ただ、なんとなく「やさしい」と思う書きかえ、ではなく
弘前大学社会言語学研究室が出されたルールと様々なデータに基づいた書きかえをしたいので、こうした根拠になるデータが必要でした。

書きかえをする際には、分かち書きや掲示物も頻繁に参照するので
そうしたデータも加えていこうと思っていますが、いつになるやら・・・。

PDICの使い方についてや、データの著作権、使用権などについて
詳しい方がおられましたら、ぜひ、アドバイスをお願いいたします。



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