見出し画像

世界一過酷だったキャメルトロフィ

ただいま紙焼き写真を整理中なんですが、珍しいのが出てきました。
キャメルトロフィ取材時のやつです。

キャメルトロフィーとは、世界一ハードなアドベンチャーレース。ランドローバーのサポートで開催されたのは1998年までで、私が取材したのは1997年。この年は、日本でファイナルとなったんです。

レースは非常にハード。国別対抗戦です。各国での予選会で2名を選出、その2名がチームを組み世界の秘境を走破しつつ、タスクを攻略するという、まるでeスポーツのようなゲーム。

画像1

とはいえ、道のない山地を四駆で乗り越え、というか、崖を駆け上がったり、車ごと落っこちたり。夜中にカヌーをこがせ、凍り付くような水中を泳がせと、走破テクニックだけではクリアできない超人レース。シュノーケル、ダイビング、クライミング、ありとあらゆるアドベンチャーが待ち受けています。しかも、タスクの内容は、当日のレース直前に発表という過酷さ。事前準備なんかできません。

すごいのは、優勝しても賞金、商品無し。お金を目的としない真のアドベンチャリストにふさわしいのは、名誉のみというジェントルマンシップぶり。

日本では富士山麓が舞台だったんですが、季節は1月! マイナスに冷え込み、道路は凍るという山中でキャンプしながらの過酷なチャレンジでした。

レースというスタイルながら、完走のために他のチームを見捨てればマイナスポイントがつきます。そして順位はタスクで与えられるポイントの合計で決定されるのです。

画像2

参加資格は一般のアマチュアドライバーのみ。プロは一切認められません。一度参加したドライバーは翌年以降参加できませんから、一生に1度の挑戦なのです。

これ、取材する側にとっても、相当過酷でございました。凍った道路にタイヤをズルズル滑らしながら取材に入ったわけですから。

良い体験をさせてもらいました。


ここから先は

0字
華々しく咲いた大倫の花火は散り、最後の線香花火が消えかけようとしていた1990年代以降、日本は落ちぶれ続けている。

若者文化真っ盛りの1990年代、バブル弾けて住専破綻してオウムが暴れた激動期に書いたアレコレを中心にまとめました。当時の「大人」視点であり…