見出し画像

目標100万字

 note に小説『皐月物語』を書き始めて60万字を超えた。原稿用紙1500枚だ。我ながらたくさん書いたなと思う。でも、目標は100万字。そう考えるとまだまだだし、あと40万字もあるのかと目眩がしそうだ。

 自分としては100万字までは修行というか、基礎訓練のつもりでいる。量をこなさないと見えない世界があるような気がする。
 でも闇雲に100万字を書いたところで、どれだけ文章を書けるようになるかというと、正直自信がない。60万字書いて現状この程度だから、100万字書いたところで大して上手くはならないだろう。

 もっと効率よく勉強する方法はあると思う。理論的なことを学んだり、好きな作家の小説を写経するのもいい。
 志賀直哉は恐ろしいくらい文章が上手いので、最高の教材かもしれない。昔、芥川龍之介の晩年の小説を原稿用紙に書き写したことがある。今の自分の文体はかなり影響を受けていると思う。でも、どうせ芥川を書きうつすなら初期の短編の方が良かったかなって思ってる。

 note に小説を上げるまではブログで雑文を書き散らしていたこともある。
 ブログ以前のホームページ時代にもたくさんの文を書いていた。あの頃は手打ちで HTML を書いていた。
 雑文を書いていた時だけで100万字は軽く超えていると思う。そう考えると、文章を量産する基礎体力はできているのかもしれない。

 でも、雑文と小説は違う。全然違う。
 文章をたくさん書く練習をするだけならライティングのバイトでもすればいい。でも、これも小説を書くのとは全然違う。

 小説は世界を創り出すことだ。
 思ったことや調べたことを書くのとは違って、虚構の世界をもっともらしく作り上げなければならない。
 小説を書くまでは日記やエッセイ、レポートとの違いがわからなかった。似たようなものだと思っていた。

 100万字というのは自分のことを小説家と名乗ることを納得させる橋頭堡かなと思っている。それが1円も稼げない小説家であったとしても。

最後まで読んでくれてありがとう。この記事を気に入ってもらえたら嬉しい。