恋愛モード、遊びモード(皐月物語 118)
朝の6時少し前、スマホのアラームが鳴る前に起きた藤城皐月はすっきり目覚めた勢いで学校の体操服に着替えた。顔を洗いに洗面所に行くと、すでに及川祐希が身だしなみを整えていた。
「おはよう、祐希」
「おはよう、皐月。お母さん、まだ寝てるみたいだから、今日の朝食はパピヨンでモーニングね。私は6時半の開店に合わせて行くけど、皐月も一緒に行く?」
「いいよ。行こう」
芸妓の置屋の小百合寮では時々こういう朝がある。前の日に皐月の母の小百合がお座敷の終わった後、祐希の母の頼子と二人でお酒