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蔵出し:「アメリカ人するための必殺スキル(中級編)」from 野菜さらだの『アメリカは、住んでみなくちゃわからない!』(第39回)

※この蔵出しシリーズは、1996年~2002年までアメリカに留学していた野菜さらだが後半の1999年~約三年間、週2回発行していたメールマガジンの記事をそのままそっくりお送りするものです。今回は、毎日更新していきますので、お楽しみいただければ幸いです!

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  野菜さらだの
   『アメリカは、住んでみなくちゃわからない!』(愛称アメすん)
        (1999/10/12発行) 第39号 (火・金曜発行+日曜版)
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 第17号で「アメリカ人するための必殺スキル」をお伝えしました。そ後、
さらなるスキルの存在に気付きました。そこで今日は続編「必殺スキル中級編」をお送りします。

◆本日のテーマ「アメリカ人するための必殺スキル(中級編)」

・スキルその1「ベッドメーキングスキル」

 こちらでは友人を訪ねたとき、そのお宅に泊まるのは半ば当たり前。ベッドルームが5つ、6つあって、バスルームが2~3室ある大きな家に住んでいる場合も、アパートでも友人同士お互いによく泊まりあっています。そこで求められるのが、この「ベッドメーキングスキル」です。今まで泊まったどこのお宅でも、ホテルのようにピシッとしわなくシーツやブランケットが整えられていて、「わー」と感動ものでした。長年こちらに住んでいる日本人の友だち宅(しかも男性)に泊まったときも、信じられないくらいきれいにベッドが用意されていて、このスキル、必須業の一つに違いない、そう確信しました。

・スキルその2「"Say NO!" スキル」

 これは、簡単そうで意外に難しいスキルです。例えば何を食べにいくかみんなで決めているとします。誰かが提案したレストラン、もし自分が嫌いだったら日本ならどうしますか?「まあ、みんながそうならいいか、、、」と自分が「そこには行きたくない」とははっきりは言わず、回りに合わせてしまうのが常ではないでしょうか。こちらでは、こういう場合「そこはちょっと、、、」と自分の好みをいうことは全然失礼に当たりません。むしろはっきり自分の意見を伝えた方が好ましく思われます。「あ、そうじゃ別の店にしよう」と表明した意見をきちんと尊重した上で、次のことを皆で決める、そんな感じです。

 無理に相手に合わせるより、素直に「嫌なことは嫌という」、普段反対意見を言い慣れていない日本人にはかなり難しいスキルです。しかしそうしないと、相手はまさかこちらが「嫌だと思っている」とは夢にも思わず、話がどんどん自分の本音とは反対の方向で展開していってしまいます。

・スキルその3「困ったときの助け合いスキル」

 個人主義、個人主義、そうよく言われるアメリカですが、これが「いざ」というときはすごいスピードでスクラムを組むように皆動ける、この実態を何回か見ました。一度、クラスの一人が突然の事故に遭い、食事が一人では取れなくなったとき、級友が皆で使っている掲示板にすぐに「食事介助ボランティア」という一覧表が貼られました。それには「何月何日何時~何時まで」というコラムがあり、その時間介助に行ける人が自主的に名前を書き込むという風になっていました。すべての欄はすぐに誰かの名前で埋り、クラス皆で交代で彼女の介助をしていました。(ちなみに、これが本当の「ボランティア」ですね。)

 この素早い助け合い体制作り、何か、阪神大震災のときとロスアンジェルス大地震のときの救助体制の迅速さの違い、というのをふと思い出しました。                          (つづく)

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◆お断り:この『アメすん』は、かつてアメリカのオレゴンに住んでいた野菜さらだが個人的に体験した、おもしろい話を友だちや家族に話すようなつもりで書いたものです。アメリカの他の場所とは違う、というエピソードも中にはあるかと思いますが、まあ、気楽に読んで楽しんでください。
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#創作大賞2023

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