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[1月24日]マイクロソフト決算大外し!

1月24日はマーケットクローズ後にマイクロソフトの決算がありましたが、Q4の決算自体は概ね予想通りで相場もそれを好感したものの、その後の決算コールでガイダンスを大きくミスし、時間外でマイナスに転じてしまいました。その他、利益率はアナリストの予想でもいくつか気になる点があり、Netflixが良かっただけに非常に残念な決算になったかなという感想です。

決算はこちらにありますので、投資検討される方はぜひ一読をお勧めします。

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決算概要

Microsoftの決算発表時は、EPSが僅かに予想超、売上が僅かにミスするものの金額的には1%未満ですのでほぼ予想達成といっても大丈夫でしょう。しかし、売上成長率が2%というのは2016年来の低い成長率とのことで予想を超えたとはいえ、苦戦が伺えます。また、主力であるAzureの成長も+31%YoYでこちらは僅かに予想を超えたことにより、当初は時間外株価+4%で反応しました。しかし、その後決算のコールでQ1のガイダンスが発表されました。こちらは2.7%程のミスなので結構大きめのミスとなり、これを受けて時間外で-1%となりました。マイクロソフトは色々と決算が難しい会社ですが、基本的にはよくない決算と言えるでしょう。

決算詳細

Microsoftの事業部門は多岐に渡り、個別項目のトレンドを把握するのがなかなか難しいのですが、基本はビジネス部門(Productivity and Business Processes )、クラウド部門(Intelligent Cloud) 、コンシュマー部門(More Personal Computing)の3つに分かれてると認識してもらえれば大丈夫です。

まず全体として売上はYoY+2%となったのですが、為替影響を除けば7%になったとのことです。ここでもドル安は効いてると言えるのですが、為替抜きの成長率も前Qから16%->7%に下落してるので、為替だけでなくやはり景況感が悪いと言わざるを得ないでしょう。

個別に見ると、ビジネス部門が+7%YoY, クラウド部門が+18%YoYとこの2部門はまずまずなのですが、コンシュマー部門が-19%と大きく足を引っ張ってます。Windows、Xboxの販売が大きく減速してます。これらはPC向けの半導体のNvidia, AmdやAppleの決算にも少なからず悪影響を及ぼすかもしれません。

 マイクロソフトの個別事業で一番影響を与えるのがクラウド部門にあるAzureです。Azureはクラウドホスティングサービスで、AWSのように事業者向けにクラウドサーバーを提供してます。こちらが長らくマイクロソフトの成長ドライバーだったのですが、昨年のQ2+46%YoYから+31%YoYと大きく減速しています。基本的に規模が大きくなれば成長を続けるのは難しいのですが、おそらく景況感の悪化も影響してるでしょう。

その他気になる部分で言えば、粗利率は1年前とほぼ変わらず66%なのですが、営利率が43%->38%に低下してます。内訳を見ると、R&DとGA(General and administrative)がそれぞれ$1Bも伸びてるのは気になります。Googleと同じく社員数だけ増やして売上・利益率が伸びてないパターンで、非常に良くないですね。先日、10,000人のレイオフを発表しましたが、この決算を見れば致し方ないと思います。

アナリストの予想

アナリストの予想はここ3ヶ月で大きく引き下げてきてます。この引き下がった予想をなんとか超えたところまでは良かったのですが、引き下がったガイダンスを割ってしまうというのは非常に悪印象です。直近の上方修正もいくつかあるものの、下方修正が多めなのも気になります。

いずれにせよ、引き下がってきた予想のガイダンスを割れてしまったので、MicrosoftのEPSの予想は明日以降引き下がることを警戒すべきでしょう。

一方、将来のアナリストの予想を見てみると、一応Q2くらいから再び成長軌道に戻ると予想されてます。この予想通りであればQ2前後で徐々に株価は上昇基調に入ると想定はされますが、この予想自体も引き下がりそうな決算ですね

チャート

今までのEPSの経緯やガイダンスを割れたことを考えると、おそらく買いが集まるような決算ではないと今は考えています。一応下目線とは思うのですが、PERも23とそこまで高くないため、大暴落するみたいな感じにはならないのかなと思ってます。業績が反転するようなニュースが入るまで220-250あたりを行ったり来たりするのかなと勝手に思ってます。

所感・今後の見通し

Netflixの決算が良かっただけに正直がっかりな決算でした。Microsoftがこのような決算だと、 クラウドを抱えてるAmazonやGoogleも不安になりますし、PCが売れてないことを考えるとAppleも不安になります。Teslaは全く別の業界になるのであけてみるまでわかりませんが、テック株、QQQ全体として雲行きが少し怪しくなる決算だなという感想です。

引き続き債券中心に

引き続き、無理せず債券中心という方針で良いかと思います。特に、テック株だけでなく全体の決算が悪ければ(景気が悪くなれば)債券に循環しやすいはずです。先日のノートに書いた通り、決算全体としては悪い決算が続いてるので、今の流れであれば債券中心に持っておく方がベターかなという気がしてます。それでも悪すぎなければ2月から少しだけでもQQQを入れていくのは十分にありな選択な気はしてます。引き続き明日以降のテスラなどに注目していきたいと思います。

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