借金アル中父と毒母と受験生 ②

勉強もいや、遊べないのもいや、だから突然高校に行きたくないと言い出した私に、母は決して親身になって話を聞いてれなかった。

毒母と表現してるが大人になった今、母親に誕生日プレゼントだって送るしそれなりに関わってる。縁を切るほど恨んでる訳ではないが
やはりこの時の母親は私に対してどこかストレスの捌け口にしてたんじゃないかと感じる。

そりゃあ夫は多額の借金して不倫疑惑、その上どんどん酒の量が増えていく。幼児含めた子供三人をワンオペで育ててパートしていた。
気持ちに余裕があるわけがない。そのタイミングで私は中三なのだから全く運が悪いのかもしれない。

だがそんな事は思春期で中二病真っ只中、V系闇落ち中の私に響くわけがない。

母親とは何度となく話したが
「ミュージシャンになろうと何だろうといいけど、なれなかった時に中卒じゃ仕事なんかないから高校には行きなさい」と至極当然真っ当な事を言われ、高校行かないってことは、働いてこの家から出てくって事だけど分かってる?と諭される。

当然である、なんせ今家庭には金がない。社会的に守られる立場ではなくなった私を養えるわけがない。

そこまで言われてはっとした。

このババァはなんて意地悪を言うんだ。やっぱり私の事が嫌いなんだな!

そう私は本当に幼稚だった、中学生なんてそんなものなのか、あるいは知能が低いと程度も低いのか。とにかく私は「うちの母親は私が嫌いでクッソ意地悪な親」だと信じ込んで生きていた。

ここまで読んで薄々分かると思うが母親は勉強こそ教えてくれなかったが普通に私に常識を教えようとしていた。
毒親ではなく私が毒中学生だったのである。
いや、本当言えば「あのタイミングで諸手を挙げて好きなことをやらせてくれれば違う人生だったかもしれない」というタラレバはある。
だが何せ知能が低くて行動力のない私にここで高校を強制したのは良い決断だっただろう。多分中卒だったら、同じ中卒とつるんで悪さして終わりだったろうな。必死にバイトして努力してミュージシャン、という道はどっちにしてもなかっただろう。今でも努力嫌いだし。

とはいえ現状、希望校(母の)には行けそうもない、でも最後まで諦めるなと机に向かわされる。何していいか分からない、遊びに行きたい、行かせてもらえない。これの繰り返し。

ただやっぱり類友とは言ったもんで、一緒にライブに行くような友人たちは全員最低ランク校に行くことになる。
「あそこに行ったら人生終わる」くらいには母親に洗脳されていた私だがみんなが行くならいっか、と一気に楽になった。

滑り止めはつけられない(受かっても私立に行かせられないという理由で)ならランク落としましょうと担任が言ってくれたことによって私は友人たちと同じ高校を目指すことになる。
滑り止めはないし落ちたら家庭での処遇もわるくなりそうだったのでやっと必死になった。1月くらいである。

この頃ガクトが行方不明になったりしてたな
などと思う。

そして私は4月から高校生になるのだ(最低ランクの)

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