ホームスクーリングをするための戦略を考えよう! その3

03 勘違いから向けられる善意の話

でも不登校って社会に馴染めないって証拠だし、心の病気みたいなものでしょ?

こういった勘違いをするのは何も親だけではないということ。そしてこれが本当に厄介な話になります。どういう話? と、思うかもしれませんが…。

例え話をすると上記の内容を知らなかったとして、近所の不登校児童をあなたはどう思うか? という話です。そう、周りの人はどう思うか? これが実に厄介極まりないのです。

実例を上げれば、不登校=虐待を疑われ、公安や児童相談所が強制力で家庭に踏み込んだという話もあります。そこに家族間の落ち度があったかどうかはわかりませんし、親子喧嘩が虐待と疑われるということも過去の事例では多々あります。

そう、そもそも勘違いをしがちな部分でもあるので一般的な勘違いを列挙します。
まず、

・義務教育とは「子供は9年間学校に通う義務がある」と思われている。
・義務教育を全うしないことは法律違反である。
・児童に義務教育を受けさせないといった選択肢を採る家庭は正常ではないため、
虐待を疑うべきである。

これが、周囲の一般的な反応や考え方になるでしょう。
そして厄介なのはこういった間違った知識が「常識」で括られてしまうことで疑問を抱かず、間違いを指摘しても認めないといった性質を持っています。さらにこういった意見の押しつけは大義名分に後押しされていると勘違いしやすく、正しいことをしていると強く勘違いしてしまいます。

第三者が行うこういったやり口は、たまらなく気持ちいいものなのです。
だから罪悪感なんてものは欠片もありません。自分たちが絶対的に正しいことをしているし、絶対的に正しいことを言っていると思っているので、彼らを勢いづかせてしまったら私たち当事者の言葉はまったく届きません。

彼らの中で自分たちは正義の代行者。私たちは彼らの目線で見れば悪人に類する何かなんでしょう。私たちがどんなに言葉を尽くしても悪人の言葉は凶器かなにかと認識され、彼らは瞬時に被害者に代わります。
そして彼らが逃げ込む先が公安であり児童相談所であり教育委員会。つまり第三機関です。
他人が他人を巻き込み始めます。

事実として、
まったく落ち度のないはずだった私たち家庭に強制力の手が伸びることがあります。

例えば、児童の保護といった処置があります。
児童相談所にて一時保護が必要と判断すれば、(もっとも職権での対処なので然るべき判断基準はありますが)強制力を持って原則最大2か月引き離すこともある。その間、児童相談所では子供はいつ返してくれるのか? などといった質問には一切答えないです。

実際の話として、当事者では理由がわからないのに、なぜか行政処分が下ることもあるわけです。それはとてもつらいと思います。

何の問題もなかったはずなのに、周囲が騒ぎ立てたおかげで子供と引き離されてしまった。
こんなことが起こってしまったら、あなたは周囲に対して強い怒りを覚えることでしょうし、もしかしたらその苛立ちを子供にぶつけてしまうこともあるかもしれません。

大人だって聖人君子ではありません。
私たちだって勉強している成長途中。思考に心が追い付かないことなんて、いくらでもあるでしょう? もし、そこでついついイライラしてしまい子供に手を出してしまったら? それが日常になってしまったら?

それは虐待に繋がります。そんなことになればあなたは「やっぱり虐待をしていた」とレッテルを貼られてしまうかもしれません。

そして落とし穴はもう一つあります。

そもそもそこに児童の心情、考えはないということ。
保護される立場になった瞬間から、保護対象の言葉、心は置いてけぼりです。一般的に子供の責任能力は認められないという話を前段でも伝えました。しかし児童相談所では子供を保護するに当たって然るべき手順を踏むことで、保護は『絶対的に正しい』といった判断基準が確立されます。

確立してしまった後は、行政の手順に従うだけ。
でなければ保護者の同意なしに子供を一時保護するといったことは普通出来ません。もっとも基本は保護者同伴で施設に連れて行く流れですが、それが何かしらの事情で出来ない場合も児童だけは保護できるようにと職員に権限を持たせています。
これは法律(児童虐待の防止等に関する法律 第5条)でも担保されています。

このことからも周りに脅かされるような未来が訪れないように、しっかりとした準備が必要なんです。これは子供とその家族を守るためのいわば保険でもあります。

準備とは、理論、実績と、そして協力者(理解者)といったところでしょう。
まずはそもそものホームスクールとしての土台と最初の協力者についての話をしよう。

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