【ノイマン型コンピュータの歴史】なぜコンピュータは生まれたのか
ノイマン型コンピュータという言葉を知っていますか?
情報や歴史の授業で知った人もいるかもしれません。
しかし、そもそもなぜコンピュータが作られたのか、その理由を知っていますか?
天才数学者フォン・ノイマンの伝記から読み取れるコンピュータの歴史を紹介したいと思います。
フォン・ノイマンの奇才ぶりが分かるこの本。伝記的ではあるものの、ノイマンの言動・行動は非常に痛快で面白いです。
なぜコンピュータは生まれたのか
そもそも、なぜコンピュータは生まれたのでしょうか?
初期のコンピュータには、タイピングもインターネットも画像表示もできません。
それでもコンピュータは必要とされたのです。人間がやるには時間のかかり過ぎる計算をやらせるために。
弾道計算のためにコンピュータは生まれた
コンピュータが生まれたのは第二次世界大戦の頃です。
「当時は、大砲から一発の砲弾を発射するために、三〇〇〇の弾道候補が生じ、そこから最適な弾道を決定するためには七五〇回以上の微分計算が必要とされた。陸軍では、アナログの「微分解析機」が使用されていたが、それでも一発の弾道を計算するために丸一日が費やされていた。」
大砲の弾道計算は、火薬量、砲弾形状、角度、重力などの影響を受けるため、着弾位置の計算は非常に大変なものでした。
上の引用文のように砲弾を一発撃つために丸一日の計算が必要でした。
こんな事を毎回やっていては機動的な攻撃が行えません。スピーディーに弾道計算を行うために、コンピュータの開発が行われたのです。
ノイマン型コンピュータとは
ノイマン型コンピュータと言いますが、ノイマン自身がコンピュータを製造した訳ではありません。
コンピュータ自体を制作したのは、ジョン・エッカートとジョン・モークリーという2人の工学者です。
ノイマンはこの2人に助言すると共に、コンピュータの汎用的な構造を設計したのです。そのため、ノイマン型という表現が使われるのです。
ノイマンが考えた構造は次の2つの特徴を持ちます。
・入力→中央処理装置(CPU)→出力( Output)の3つに分かれている
・CPUの記憶装置がプログラム内蔵方式になっている
特に重要なのは後者で、プログラムを変更することで別の計算を行うことができるようになっています。
現在のパソコンやスマートフォンでもアプリを変えれば別の作業をすることができます。
このノイマン型コンピュータが現在のコンピュータ構造となっている訳です。
天才数学者フォン・ノイマン
ノーベル賞こそ受賞してはいないものの、ノイマンの功績は相当なものです。
ゲーム理論を構築したり、量子力学の数学的裏付けをしたり、コンピュータ開発や原爆開発にも加わっています。
世界大戦前後の歴史的背景と科学者の置かれた立場を知るのにも、この本はバッチリです。
ノイマンの天才物語に加え、アインシュタイン、ファインマン、チューリングといった科学者が世界大戦前後をどう過ごしたのか知ってみませんか?
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