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2023年に読んだ本の個人的ランキング発表

私は毎年、Facebookにその年読んだ本の個人的ランキングを勝手に発表しています。今年はあまり多く本を読まなかったので書くか少し迷ったのですが、せっかく2020年、2021年、2022年と書いてきたので一応今年もやることにしました。

さっそくですが5位から発表していきます。

第5位 環境考古学への招待/松井章

今年は「昔の人がどのように馬を扱っていたか?」というところを入り口に、環境考古学に関心を持った年でした。日本では、考古学って文系科目として扱われるのですが、理系的な分析技術と文系的な歴史学の両方が必要な学問で、割と日本ではまだ新しい分野のようです。本書はその入門書。さまざまな動物たちと人間の関わり方、そこからわかる当時の生活について書きながら、環境考古学という学問について説いています。もしこの本を高校生のときに読んでいたら、進路が変わっていた可能性もあったかも....?

第4位 モグラ 見えないものへの探求心/川田伸一郎

今年は科博のクラウドファンディングが話題になり、メディアに登場されていた川田先生の専門分野「モグラ」の本。著者の学生時代からのモグラにまつわるフィールドワークを中心に書かれています。モグラの染色体の研究がメインなので、モグラの生態を知りたい人はアレ?ってなるかもですが...。川田先生の本を読むと、そのぶれない信念にいつもガツンとやられます。強い。(あと密かにタイトルが秀逸だなって思ってる)

第3位 家畜化という進化ー人間はいかに動物を変えたか/リチャード・C・フランシス

家畜化についての話は過激なものも多いのですが、フラットな視点で書かれていて安心して読むことができました。遺伝子の話が(勉強的な意味で)苦手なので、個人的にはその部分はちょっと難しいなと思ったりもしたんですが、これ系の書籍ではかなり読みやすいと思います。翻訳の人、すごい!これまで「なんとなく」しかイメージできていなかった家畜化の仕組みみたいなものがクリアになる一冊です。

第2位 山と獣と肉と皮/繁延あづさ

狩猟とはなんなのか。動物をどのように捌き、調理し、食べるのか。臓器の構造はどうなっているのか。著者の子どもたちは、狩猟肉が並ぶようになった食卓をどう思っているのか。カメラマンである著者の日常生活には狩猟肉を料理する風景があり、動物たちがそこにたどり着くまでに起こっていることが丁寧に書かれています。ルポルタージュのようで、エッセイのようでもあり分類するのが難しい。私が同じ環境に身を置いたとして、果たして著者のように感じられるだろうか?と思いながら読みました。(こういう感性を持ちたかったな…。)

第1位  海嶺(上・中・下)/三浦綾子

嵐のせいで漂流し、イギリス、香港を経てアメリカにたどり着いた三人の若者が、日本ではご法度であったキリスト教の信者たちに助けられる。それまで悪だと信じてきた異教徒の優しさに触れ、葛藤しながら鎖国中であった日本に懸命に帰ろうとする姿を描く歴史小説。超ざっくりいうとモリソン号事件までの流れが小説になった感じです。 この小説を読むまで日本にとってのキリスト教について、考えたことなんてなかったです。読むのにエネルギーがいるし、救いがあったのかなかったのかもよくわかりませんが三部一気に読みました。事実は小説より奇なり。(巻末には作者自らどこまが創作でどこが史実かも書かれています)

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今年のランキングは以上です。

今年の秋からフリーランスになり、在宅ワークになりました。移動時間がなくなったことにより、本を読んだり音楽を聴いたりする時間が減っています。来年はそのあたりもなんとかしていきたいなと思います。

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