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H.M.C.4 -生き残り達が道場-

【週報】2017.5.20-27

ごあいさつ

 こんにちは、うさぎ小天狗です。
 今回の週報は拡張版でお届けします。
 理由はタイトルをご覧いただければ一目瞭然、『ニンジャスレイヤー』ファンによる音楽イベント「H.M.C.(ヘッズ・ムレ・チイサイ)4 -生き残り達が道場-」に、DJとして参加したからです。

DJうさぎ小天狗

 そう、DJ! ぼくはDJするんです!
『ニンジャスレイヤー』ファンによる最初の音楽イベント「ゼントランス」でトップバッターを務めさせていただいてからだから、何年前でしたか……五年前? からのキャリアでございます。
 そのわりにあんまり腕が上がってっていないのは、これはぼく自身の不徳の致すところではありますが、発展途上のワザマエながら、使っていただけて、徐々に経験値は積んでいるはず……いずれ龍になり天へ昇る時が来る……。

 閑話休題。そういうぼくのこの一週間は、いわんやこの半月は、ですから、日々練習の繰り返し。夜な夜な敷きっぱなしのフートン・スタイロフォームにゼンめいてアグラし、両膝にパイオニアのDJデッキ「DDJ-WeGO3」を乗せて、サイバー音楽空間にダイブすることで、日々の憂さを晴らしつつ、5.27の仕掛け[ラン]に備えていたというわけです。

(画像はイメージです)

ラン、ストレイト、ラン

 では、どんな備えをしていたか。
 今回は「生き残り達が道場」のサブタイトルが示すとおり、『ニンジャスレイヤー』作中でも屈指の人気を誇るキャラクターチーム「サヴァイヴァー・ドージョー」と「架空のベトナム(戦争)」がモチーフであります。
 ここから、時代的には60~70年代の文化をトレスし、組み合わせることで、サイバーパンク風味と融合できないかと、まず考えました。
 すると、必然的に導き出されるのは、70年代ディスコブーム。KC&サンシャイン・バンド、ドナ・サマー、アラベスク、ジンギスカン、ヴァン・マッコイ……ダンスクラシック! ぼくのあこがれる『サタデーナイト・フィーバー』の時代!

 そして『地獄の黙示録』! 「狂気の男に率いられた王国(=チーム)」というモチーフはサヴァイヴァードージョーと通じるものがあり、これを見逃す手はない!

 というわけで、以上の二本柱、「70年代=ベトナム戦争と同時代のダンスクラシック」と「『地獄の黙示録』などの映像ネタ」をかけ合わせたセットリストを作り上げたわけです。
 あえてタイトルをつければ……そう、「Stayin' Alivocalypse Now」!

「Stayin' Avocalipse Now」セットリスト

1.「Ride of the Valkyries」

 言わずと知れた『地獄の黙示録』のイメージソング。この動画とほぼほぼ同じ音源をサンプリングいたしました。お前をナムの地獄へ連れて行く!

2.「THE BIRTH OF THE ODESSEY ~MONKEY MAGIC」

 お次はこちら。テレビドラマ『西遊記』のオープニングクレジット曲から主題歌に流れる構成は、『西遊記』のサントラオリジナルのもの。「サヴァイヴァー・ドージョーって三蔵法師一行に似てるよね」というイメージと、「モンキー=ジャンキー(キ○チガイ)」という隠語からです。

3.「Don't let be me missunderstood」

 BPM合わせと、『キル・ビルvol.1』からのバトルイメージ、そして70年代ダンスクラシックへのブリッジはこれしかない! と思い定めての選曲です。

4.「Hot Stuff」

 ここでダンスクラシックの大御所、ドナ・サマー姐さんの登場です! 個人的には「ホット・スタッフ=イケてる奴ら=三蔵の弟子たち=バイオニンジャたち」というイメージがありました。

5.「Lady America」

 今回のセットリストに向けてCDを借りまくり勉強しまくった中で、一番グッときて、絶対かけたい! と思ったのがこの曲。「シュシュシュビドゥバ!」がスリケン投擲みたいでよくねえ? というのと、「レディ・アメリカ=ナンシー・リー」で第一部でのサワタリのヨメ執着のイメージもありました。
 中盤の伴奏部分が流れてるとき、ダンスフロアでハモニカ持ちのヘッズがアドリブ演奏してくださったのがとても嬉しかったことです!

6.「Stayin’ Alive」

 この辺から、実はセットリストの大枠だけを決めて、フロアの様子を見てフリースタイルに繋いでおります。前の「Lady America」であったまっていたので、王道をぶっこんでおこう! という欲目が出たものです。

7.「Kung Fu Fighting」

 カンフー! カンフー! カンフーファイティング! どこかで使いたいとは思ってたんですが、BPM合わせも含めて、この位置でのこの選曲は失敗してるかも?

8.「Disco Inferno」

 これまたダンスクラシック……ですが、原曲のThe TrampsではなくTina Turnerのカバーバージョンにしています。理由はティナ・ターナー姐さんの声が好きだから、です。

9.「Clap Your Hands Together」

 今回一番の仕掛け[ラン]。
 この曲かけて、フロアのみんなと一緒に手拍子[クラップ]したかったんです!
 そのために夜な夜なダンスを練習、手拍子のタイミングをはかったりなんぞいたしましたが、準備中はこのアイディアに浮かれていて、DJブースにいてはダンスもないもんだな……ということにまで気づかないのでした。
 お付き合い頂いたみなさま、ありがとうございます。スゲー楽しかったです!
 ちなみに、かけたのはFunky Bureauのバージョンでしたが、YouTubeにはないようなので、Bluberry Jamの方をはっときます。

10.「Disco Baby」

 この辺はまたダンスクラシックのフリースタイル。ダンス! ダンス! ダンス!

11.「Boogie Walk」

 ブギウォーク! ダンスクラシックをつないでいます。Funky Bureauは二曲目だから、別の曲でも良かったかなあ。
(なお、YouTubeには、権利関係をクリアしていない動画ばかりで、Funky Bureauの音源は見当たらないようです)

12.「In The heart of Disco Night」

 アラベスクはノリがよくて使いたいんですが、あんまり狂騒的な曲もダークめな曲もないので、選曲に苦労しました。

13.「Crashing Down」

 個人的なチョンボです。1980年代の曲使っちゃった……。でもノーランズもいいんすよ。女性ヴォーカルつながりです。

14.「Point Zero」

「Lady America」につづいてVoyage二曲目。Voyageは70年代後半に活躍した、フランスのディスコポップのバンドで、ぼくは寡聞にして今回の準備期間まで知らなかったのですが、どの曲もすばらしくカッコイイので、いずれまたDJさせていただく機会があれば使いたいと思っております。
 曲の雰囲気はワールドワイド無国籍な感じで、全体の構成としてはそろそろシメに入っております。

15.「Zombie」

 ででっでっでっでっででー! ででっでっででー! 出た! ゴブリンだ! アルジェント版だ!
 ……上記の発言がなんのことやらさっぱりという方もいらっしゃると思うので補足いたしますと、ベトナム戦争のカリカチュアから始まった社会派ホラー映画『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』の続編『ゾンビ』には、劇場公開に幾つかのパターンがあり、その中でもシーンのつなげ方、音楽ともに最もエンタメ色が強いのが、イタリアの映画監督ダリオ・アルジェントが編集したバージョン。これはそのバージョンのテーマ曲であります。
 ゴブリンはイタリアのプログレッシブロックのバンド。アルジェント映画のサントラ担当で有名です。『プロフェンド・ロッソ(サスペリア2)』『サスペリア』など、幻想的でどこか乾いた雰囲気がたまらないのです。
 今回はサワタリの幻覚、あるいはジャングルのグリーン・インフェルノな世界をイメージしたくて使いましたが、映画『ゾンビ』ではコンクリートジャングルに潜むテロ集団をSWATが襲撃するシーンに使われてました。これもまた都市をナムにする過程なり。

16.「Life During Wartime」

 実は、今回のセットリストの中で、一番最初に決まったのがこの曲で、トーキング・ヘッズが好きなのもありますが、タイトルがベトナム戦争と関係があったからです。
 ウィリアム・ギブスン、ブルース・スターリングらサイバーパンク作家と同世代、80年代の作家にルーシャス・シェパードという人がいまして、近未来の南米を舞台に、ベトナム戦争をモチーフにした「終わらない戦争」とか、マン-マシン接続による人間の精神の拡張とドラッグ酩酊による精神拡張を混同させていわゆる「マジック・リアリズム(魔術的現実感=主観=世界観)」と接続したりと、サイバーと土俗的世界観を黄丸するパンク文学を書いていました。彼の作品の中でも特にナム色が強いのが『戦時生活』というタイトルで邦訳された連作長編で……もうおわかりですね、原題は『Life During Wartime』

 お話自体は、「ドラッグとマン-マシン接続によって認識が拡張し予知能力や霊感を身につけた兵士が右往左往する」というもので、読んでいてこれはサワタリのことではないかと思ったりもしたのです。
 こういう理由でかけたんですけど、ちょっと使い所を間違えた曲。

17.「The End」

 はいド定番。『地獄の黙示録』のメインテーマですね。
 今回は最後の「F**K F**K F**K F**K」の部分を中心に使いました。

18.「DIE SET DOWN」

19.「Armor Zone」

 最後は流行りネタ、兼、最初の『西遊記』と対になる「現代の特撮」でシメ。
 歌詞の内容がサヴァイヴァー・ドージョー(「この世に生まれたことが消えない罪というなら/生きることこそ背負いし罰だろう」)、そしてサワタリ(「お前は誰だ!? 俺の中の俺」)にバッチリなのもシメにはめ込んだ理由であります。

生き残り達が道場

 というわけで全19曲、楽しんでいただけましたでしょうか。
 個人的にはさまざまな課題が見えてきた回でしたが(特に、プレイ後にノロワレ=サンからいただいたご指摘は的確で、改善点がスッと見えてきてありがたかったことです)、それだけに今後も精進しようと思えるものだったことと、m-floのバーバルさんリスペクトな見えづらいことこの上ないバカサングラスをちらちら下げて見たフロアのみなさまが、楽しんでくださったことがとてもうれしかったことです。
 H.M.C.4全体は、今回も大入りで、次回「H.M.C.5」の年内開催も視野に入っているとか。次回もまた、DJさせていただけるようであれば、次はもっともっと上達したカラテをお目にかけたい、お耳に入れたいと思っておりますので、その時は何卒よろしくお願いいたします。


(うさぎ小天狗)

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