どの層に向けるのか

先週の金曜日、テレビで「カメラを止めるな」が放送されていました。今回は副音声を聴きながら見ており、裏話を聴きつつ見れたのはすごく楽しかったです。

さて、そんな大ヒットしたカメラを止めるなですが、見る前に構図に気づいてしまったとか、他でもあるような構図だということで、それほど満足度が高くないのかなぁなんて人もいます。私はカメラを止めるなに関してはそこまで思わなかったのですが、ももクロのライブに行ってあの場面の演出が・・・とか、映像としてはいいやろうけど会場で見るには・・・などと、ライブ後に垂れ流してたりします。このような人たちを満足させることに関して考えてみます。

細かなところに気がついたり、高度なことを求める人たちの満足度を高めるということは、大変なことです。既に色々と知っており、それを超えていかなければ満足してもらえなかったりしますから。そして高度であるが故にボリュームゾーンの求めるものを超越しており、かけた労力やコストに対して得られるリターンが少なかったりします。ということは商業であるが故に程々のバランスで落ち着くというのは当然あり得る話です。

じゃあその労力やコストをかけても稼げるようにするには、やはり全体の牌を増やすことでしょう。労力やコストは基本的に作品ごとにかかるものでしょうから、全体の牌が増えれば高度なことを求める人も増えていくのは当然のことです。

全体を増やすには、これまで届かなかった人たちにアピールしなくてはなりません。そのような人たちはこれまで接したことのないものに接する初心者たちです。ということは、よく接している人たちの″常識″や″慣習″などは持ち合わせていないわけです。この″常識″や″慣習″があったからこそ楽しめるものだったとするならば、初心者に対して予め教えてあげなくてはならないでしょう。そうでなければ折角近付いてきた人たちが楽しさを理解せずに遠ざかってしまいます。

そんな考えから行き着いたのが、この前の金ローのオープニングでの出演者・監督のコメントになったのかなと感じています。ネタバレになるという懸念は分かりますが、それよりもしっかりと伝えて見てもらうことを選んだのでしょう。

とか言うことを考えてたら、仕事でのトレーニングのことを思い浮かべてしまって・・・高度なことを知りたい人と、初歩的な内容が知りたい人が同じ場で同じトレーニングを受ける。高度なことが知りたい人は物足りず、初歩的なとこが知りたい人はついていけない悲劇。高度な人が高度な質問をして、講師もそんな話をするのが楽しいから調子よく回答して、初心者は余計取り残されたりね。そこをどう拾っていくのかが、今後の発展に関わってきたりするんじゃないかなぁなんて思うんですが、個人の興味を優先する技術の人間が・・・みたいなところもあってなかなか面倒臭いのである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?