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NHK大河ドラマ「平清盛」OPについて語りたい

私の心を震わせてくれる音楽について語りたい。私はよく大河ドラマを観る家で育った。勿論今の大河ドラマ「麒麟がくる」も視聴中である。今回は大河ドラマOPの中で特に好きな曲について語る。

 「平清盛」は2012年に放送された大河ドラマで、主演の平清盛を松山ケンイチさんが演じられた。舞台となったのは平安時代。

 この時代についてどのような印象を持っているだろうか。京都や奈良に行くと平安時代の建物や遺産が数多く存在する。平安時代は、貴族たちによる華やかな印象を持つ人がいるのではないか。しかし華やかなものばかりではない。この作品は武士としての生き様を描いたものである。

 

 冒頭の上品なピアノの音色、そして序盤にかけての花が咲き乱れるような華やかな音は、繊細さも感じられる。

 そしてリズムの変化と共に雰囲気がガラッと変わって、風が吹き荒れるような激しめの曲調へと移る。序盤に感じられた繊細さは消え、力強く音が響く。中盤のこのパートは思わず「カッコいい…」と口に出してしまうような勇ましさがある。

 そんな勢いも、終盤では嵐が収まったかのようにスッと消え、花が散り果てたような虚無感。そこに光はなく、深い水底に沈んでいくようでもある。まるで平家そのものを描いているように感じられる。


 この記事を書いていて、ふと学校で学んだ「平家物語」を思い出した。

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。奢れる人も久からず、ただ春の夜の夢のごとし。猛き者も遂にはほろびぬ、偏ひとへに風の前の塵におなじ。  平家物語より

 実際に番組を視聴していた時、平家物語を学校では習っていなかった。それから軽く10年後、平家物語を学校で習った後に聴くと、なんとなく聴いていた音楽に込められた意味を考えるようになった。


 この音楽は、まるで時代の流れとリンクしているようだと思う。清盛の活躍、そして平家の衰退を是非この楽曲で感じてみて下さい。

 そして昔聴いていた曲を、成長した今聴いてみるのも、新しい発見が生まれて楽しめるでしょう。

 






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