見出し画像

125年ぶりの帰宅 その1〜福山駅にて〜

私は1人、広島へ向けて出発しました。会ったことのない親戚に曽祖父のことを報告するために母の故郷に向かいます。曽祖父母のことを知ってから2年後に、こんな日が来るとは思いもしませんでした。

最初は知らないことが多く手当たり次第に調べていました。本のコピーや論文やネット情報の印刷物が大量に集まりました。それを項目ごとにファイルに分類し資料を整理しました。気になること、知らないことが見つかるたびに書き出し資料を求めて検索し、資料を集めました。この作業を繰り返してきました。

調査も完了に近づいたとき、曽祖父は何を伝えたかったのかを考えていました。考えたところで分かるはずもありません。疲れて煮詰まると調べることを中断し休憩をとっていました。記録を見ると2023年6月から2024年の3月まで長期に調査を中断していました。

この旅で親族に報告をするのが私の役割です。それから…それから私はどうするのかな。

なんて考えているうちに、あっという間に最寄りの新幹線の駅に到着しました。

新幹線のホームから改札階へのエスカレーターはとても長くて、子ども時代は地の底に降りていくようで怖かった記憶があります。大人なったいまは何も感じません。ただ荷物が重いだけでした。


この駅に来るのは、数年ぶりです。しかも駅のこちら側に降り立ったのは初めてです。駅構内、駅前が整備されすっかり洗練された地方都市です。

ばらのまちとは洒落てますね。ミステリー作家島田荘司のばらのまち福山ミステリー文学新人賞で名前が知られています。「占星術殺人事件」が懐かしいです。

学生時代に草戸千軒遺跡の発掘現場を見にいき中世史のレポートのネタにしました。当時はは掘っていたのに、ミュージアムができていました。


曽祖父母が神戸港へ旅立った頃の名残はないかと見まわしましたが、何もありません。戦争で8割が焼失したそうで明治期の名残は何もありませんでした。

実のところ、在来線へ乗り換えるので、この駅で宿泊するの初めてです。母が到着する前にホテルにチェックインし部屋を確認、フロントや駅の観光案内所で情報を集めました。

夜には広島市に立ち寄っている娘も合流します。つまり母、私、娘の3世代が現地集合するのです。



この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?