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息子はおさるのジョージに負けているか…

私の息子は知的障害者です。日常生活の訓練をしていますが、彼のためというより、どちらかというと私のためのスキルアップだと思っています。

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私が不在の時には、息子は洗濯物を取り入れてくれます。シワを伸ばして干しても、ぐちゃぐちゃに取り入れます。竿の端に雑巾を干していても、一緒くたにに取り込むので、発覚した時に血管が切れそうになります。

それでも、「今日は大きなタオルを干してあるから、取り入れたら室内の竿に伸ばしてかけといてね。」と出て行く前に繰り返しました。その日、帰宅したら、ちゃんとタオルが室内の竿に伸ばしてかけていたので、うれしくなりました。

そんな時私は「やったね!おさるのジョージに勝ったね。」と褒めちぎります。

そうです、ウチの基準はおさるのジョージなのです。サルと息子を比較するな!とお叱りを受けそうですが、息子が理解できる比較対象が、ちょうどジョージなのです。

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しかし天災は忘れたころにやってきます。今朝トイレが洪水状態でした・・・息子を問い詰めると、すでに夜間に失敗していたようです。

「それ早く言ってよ…」と声が出ました。

CMの松重豊さんのつぶやきです。CMでの彼の心情が痛いほどわかります。

トイレ掃除を終えて、洗い物を片付けていたら息子の水筒の蓋が見当たりません。息子の聞いても要領を得ません。

しかたないので息子のカバンを探し、生ごみをあさり、ゴミ箱をあさり必死に探しました

なかなか見つからないので、「なぜない!蓋はどこ!!」叫んでいると息子が背後から、ニヤニヤと蓋を差し出してきました。

私は再びブチンと切れました。

「そんなことおさるのジョージは絶対にしないよ。もうあんたはサルにボロ負け!私はジョージのお母さんになりたい!!」と叫びました。

息子はヘラヘラ笑っています。

冷静に考えると、ジョージも大抵のことをやらかしています。たとえ息子とジョージを交換しても、私はあの黄色い帽子のおじさんほどの度量は持ち合わせていないので、結局同じようにブチギレるのがオチです。どちらと暮らしても寿命が短くなりそうです。

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朝っぱらから荒れ放題の私でした。いつもの土曜日なら息子は、おさるのジョージを見ながらダラダラしていますが、今朝の息子は、いそいそと準備をして静かにショートステイに出ていきました。

息子なりに気を使っているようです。ここのところは、ジョージに圧勝みたいです。
 



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