見出し画像

愛しのアイリーン・アドラー

 シャーロック・ホームズの「ボヘミアの醜聞」に登場する女性である、かのホーム巣を翻弄した女性。そして彼が唯一、敬愛する女性がアイリーン・アドラーです。

 小学校の頃、図書室でシャーロック・ホームズに出会い、シリーズを読み続けていました。当時から、こんなに凄いホームズを、やり込めたアイリーンにとても惹かれました。

 彼女は最強に賢く美しい女性なのです。私の憧れの女性です。「敬愛」という言葉も辞書を引いて意味を確認しました。私がこの言葉を使った人物は、数少ないです。なぜなら私の中で特別な言葉だからです。ホームズがアイリーンに出会ったように唯一無二クラスの人物にしか使えない言葉なのです。

 イギリスBBC制作のドラマ「シャーロック」でのアイリーンは、これまた魅力的な美しい女性に描かれていました。子どもの頃に憧れたアイリーンは、ドラマの中で、新たなアイリーンとなり、現代に生まれ変わり登場しました。久しぶりの再会です。

  彼女の描き方は、いささか過激で、

「おいこれは、困った!?」

と早くも冒頭で私の手に余る状態でした。

「これどうなるのだろか・・・」

オロオロしましたが、相手のシャーロックも負けず劣らずの、キレものであり、度がすぎた変人に描いているので、まずまずバランスが取れた2人だったようです。

 原作にはないメールのやり取りや、ラストシーンなど、細かいシーンでは、見るものに想像する余地を存分に与えてくれました。

 ネタバレなので書きませんが、ラストでアイリーンが目を閉じるシーンは、信頼と愛情を込めたもの、そして生への第1歩だったのでしょうね。なんて美しく賢いアイリーン・アドラーなのでしょうか。

 このように原作の風味を損なわず、時代を現代に置き換え、かつオリジナリティに溢れた映画・ドラマを見ると、一粒2度美味しい、得した気分になり満足な気持ちになります。

 このように私は、原作を読んだ上で、何度も繰り返されるドラマ・映画のリメイク作品を飽きずに見続けるのです。

 しかし原作を叩き潰し、映像作品としても、トホホな作品もあるので、これはシナリオ、演出、演者次第でしょうか。某2時間ドラマで「隠蔽捜査」をめちゃくちゃにされたことを忘れません。

 現代のロンドンの街を、ホームズとワトソンが辻馬車ではなく、ロンドンタクシーで疾走するなんて、かなり愉快です。1つ難を言えば、マイクロフト・ホームズは私のイメージと違い過ぎて、未だ慣れないままです。

 ともかくベネディクト・カンバーバッチの「シャーロック」は、私の大好きなアイリーンを現代に生かしてくれたので、当たりの作品でした。

画像1

https://ja.wikipedia.org/wiki/SHERLOCK(シャーロック)https://ja.wikipedia.org/wiki/アイリーン・アドラー

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?