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3. 「少年的你」邦題:少年の君 感想

中国のドラマとブログタイトルで謳っている割に、見たドラマリスト作成中に、ふと映画も結構見ていたことに気づきました。この映画を知るきっかけは、「中国 いじめ 映画」で検索した時に、一番にヒットしました。私が探していたのは、こちらの映画ではなく、「悲伤逆流成河」でした。名前が覚えにくかったので、単純に上記の三単語を並べて検索していました。結果、この「少年の君」に出会い、鑑賞開始しました。ネタバレありです。

あらすじは、主人公の女子同級生が学校で飛び降り自殺をしてしまい、そこに主人公が自分のジャージの上着を被せる。実は、彼女の自殺には卑劣ないじめが絡んでいたのである。いじめターゲットが自殺した後に、まさかの主人公がターゲットに。いじめは徐々にエスカレート。そこで、意外な出会いで知り合った少年と・・・

見終わった感想として、終始心臓ばくばくでした。いじめのシーンがえげつない。今はスマホあるから、それで動画まわしたり写真撮ったりって、ある意味恐ろしいなとも感じました。そして何より、命を脅かす事件があっても「テスト命」の子供や大人たちにびっくりでした。中国のいじめってあんな感じなの?とか思いそうですが、いじめはやはり古今東西ですね。

3−1.キャストの演技力がすごい。

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陈念:周冬雨

主人公、幼いな〜と思ったらまさかの1992年生まれって・・・驚きました。顔立ちが幼いので、全然高校生役いけますね。むしろ、大人になってからの教師役が若干子供感が強かったぐらいです。
お母さんが、怪しい美容品販売に躍起になっているところが闇でした。しかも、そのキャストがまさかの、吴越さん・・・。(北京女子図鑑では、エリートリーマン。我的前半生では、シングルマザーでワーキングママなのに略奪愛しちゃう女性役・・・、演技の幅が広くてびっくりです。)
主人公が、その飛び降り自殺した少女と少なからず関係があったので、警察が事情聴取されていました。最初は、あくまで飛び降り自殺した同級生とどんな関係があったのかなど、比較的クリーンな立ち位置にいましたが、終盤にかけてまさかの、殺人犯の容疑として取り調べが行われるという、うわ・・・・という気持ちになりました。
人気の少ない路地が通学路だったりと、何かと気苦労が絶えない環境にいながらも、リンチに遭う少年を助ける度胸さは強いなと思いました。後に、そのリンチされた少年と一緒に暗い学校生活を戦ってくれる同志にはなるのですが、最後に殺人を犯すのはちょっとなぁと思いました。リンチされている少年を警察呼んで助けようとする気概はあるのに、あの性悪女子グループのいじめた証拠を撮ろうとする(ボイスレコーダーオンにさせるとか)勇気がないところが腑に落ちませんでした。おそらく、18歳の女の子が、学校内でのトラブルに対して思い切った行動取れないですもんね。
終わり良ければすべて良しという訳ではありませんが、なんとか自分の能力を活かせる仕事に就いててよかったなと思いました。
それにしても、あのいじめっこ本当クズだなという感情しか生まれませんでした。

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小北:易烊千玺

最初、リンチされている映像から始まったので、誰感が強かったです。TFBOYSの少年だったんですね。しかも2000年生まれ。易烊千玺さんの殺意、凄まじかったです。普段どんな役をしているのかわからなかったんですが、非常に男気溢れる少年でした。地元のゴロツキ感ありましたが、一度助けてもらったことが何かの縁としてしっかり主人公のことを守ってあげる信条にどきっとしました。行動に一貫性がありますよね。何より、主人公の境遇が、誰一人として守ってくれる人がいないので。そんな中で、彼が主人公にとって大きな支えになったのは間違いないです。というか、この少年少女の住む世界線、見てて不安になるぐらい大人が機能していないんですが・・・あえてですよね?最終的に、この少年がいじめっこを手にかけてしまうのが残念でならないです。

3−2.周りが真っ黒だらけ

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魏菜、、、、名前だけ一発で覚えました。実家裕福で、3年生をもう一回やっているといういわば浪人生。いじめでストレス発散するんじゃなくて、勉学で発散しようよ(多分無理)と思ったけど、彼女の家だいぶ裕福みたいです。もう浪人やめて、日本とかイギリスとかアメリカに留学すればよかったのに・・・
警察との取り調べの時、非常にサイコでしたね。「彼女が勝手に死んだだけじゃない」的なこと言っていて、うわ〜でした。ボディーガードの小北から一回圧かけられたあと、主人公に反撃していて、もう負のスパイラルでしたね。髪の毛切ったりとか、本当やりすぎで、周りも何も言わないの一体どんな世紀末だよと思いました。最後は、CCTVに写ったことにビビって(多分、中国語で見たので間違ってたら教えてください)主人公に駆け寄って金で解決しようとするあたり、ほんとEQ低いですよね。そこを、主人公が誤って突き飛ばしたらまさかの意識不明。(階段から落ちて死ぬなんてあるのかな)とちって完全、孤児の少年と主人公が埋めてしまうって絶対闇オチじゃないですか・・・この映画、目が離せませんが、正直誰もが抱えている闇が深すぎて、結構目をそらしてしまいました。

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メガネの同級生、完全傍観者でしたよね。主人公を、保健室で励ましたりしてましたけど、それ助けたカウントにもなりませんからねって見ながらずっと思ってました。魏菜はもっと嫌いですが、この人もなかなか酷いですからね。

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お母さんも結局、見て見ぬ振りなのか、すごいフラついてましたよね。主人公も、しっかりお母さんに伝えられる関係じゃなかったですよね。なんか友達親子(仮面)感出してましたけど、本当子供が酷い目遭っていることを知らずに放蕩しているのもどうかと思いました。

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社会評論的になってしまいますが、この映画を見て社会問題を過激的に描写し、誰でも見える形で可視化させることは大事だなと思っています。よく、教育に悪いと言った意見もありますが、事実は小説よりも奇なりという言葉があるように、実際はもっと悲惨ないじめがあるのかもしれないですよね。中国のいじめ事情に詳しいわけではないので、あまり多くは語りませんが、リアルはこんな小北のような頼もしい友人がいるとは限りませんよね。この映画を見て、ヘタなホラーを見るより肝が冷えました。

2021年9月5日

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