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【ゼミ生お薦め本】『共感資本社会を生きる―共感が「お金」になる時代の新しい生き方』

著者   高橋 博之(たかはし ひろゆき)
             新井 和宏(あらい かずひろ)

本の概要
 現代社会において日本はさまざまな社会課題を抱えるなか、その本質は「選択」ができないことが大きく影響する、という言葉からこの本はスタートしています。理想の社会とは第1に選択肢があり、第2に選択できる環境、能力があるということです。
 日本社会が抱える課題について、今後の日本は「共感」を大事にし、共感が資本(お金)になるような社会、共感資本社会を展開する必要があると、本書は著者たちの対話を記す形でこのような主張を展開しています。


第1章
新しい「お金」と、新しい生き方
第2章
新しい「市場」と、新しいつながり
第3章
新しい「資本」と、新しい幸せ

おすすめの理由
 私がこの本を手に取った理由として、「共感」が資本になるのだろうかと疑問に思ったからです。普段私たちが生活する中で「そうだよね」「うんうん」といった相手の意見に同調する共感は何気なく行われているものですし、この共感が価値あるもの=お金に変わっていくものなのか、うさん臭さを感じてしまいます。ゼミや授業の中でもさまざまな新しい経済のあり方が紹介されましたが、この新たな「資本」がどのような新たな経済を生み出すのかとても気になり、本を手に取りました。
 皆さんに紹介したい本書のポイントして、さまざまな場所に「共感」が散りばめられている点に目からうろこ、です。この本には、著書たちが互いの分野を中心に実際に対話している会話が書かれており、著者同士が多くの共感の現場を示しているだけではなく、読者にも共感しやすい話の展開がされているため非常に読みやすく、本を読むことが得意でない人にも手に取りやすいです。
 また、本書のもう一つの重要なポイントとして、二人の著者は「縁」をものすごく大事にしていることが挙げられます。
 お金の切れ目は縁の切れ目という言葉がありますが、本書では「お金の切れ目が縁の始まりになる」ことを理想の社会のひとつにしています。例えば、私たち自身がものを買う行為は、消費者には選択肢が与えられますが、生産者には私たちの顔が見えず、選択肢も与えられません。「縁」を大事にする買い物とは、消費者と同時に生産者にも選ぶ権利を付随させるような、互いが尊重し合う関係で生産者と消費者が結ばれていくことが望まれます。この関係性には、著者たちが述べる「共感」が重要な要素になります。
 「共感」というワードを軸にさまざま対話が進められ、読んでいくうちに、いつの間にか、自分自身も「共感」という新たな資本を有効活用していきたいと思うようになりました!
 皆さんも新たな資本、新たな経済に興味があれば、ぜひこの本を読んで、「共感」を新たな視点で見て見ませんか?
(Y. M)


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