見出し画像

あなたの大切な時間の音楽に・・・ 「ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン」を紹介します。

2021年も残りわずか。あなたはどんな1年を過ごしましたか?

静かに今年1年を振り返る・・・そんな大切なひとときにピッタリな
女性ジャズシンガー、ヘレン・メリルのアルバム
ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン」を紹介します。

このアルバムは、
ほっと一息つきたいとき、
趣味の時間や好きなことを楽しむとき、
夜、眠りにつくとき…
あなたにそっと寄り添ってくれるステキな歌が7曲収録されています。

「ジャズって何だか難しそうで、よくわからない…」
「知っている曲がないし、英語だから、何を言っているかわからない」

ジャズのことや曲を詳しく知らなくても、
英語がちんぷんかんぷんでも、充分に楽しんで聴くことができます。
言葉の意味はわからなくとも、
ヘレン・メリルが歌う、美しくやわらかい英語の響きにうっとり。
知っている単語や歌のイメージから、
何を歌っているか推測するのも楽しいものです。

演奏や歌声に心と耳を傾けるだけ。
それだけで、音楽を楽しみ、味わい、とても幸せな気分になれます。

「何となくいい雰囲気」「楽しい!」「しんみりするねぇ」…。
いろいろな気分を楽しみながら、気楽に聴きましょう。

🎹  🎹  🎹


今から67年前、1954年12月に録音されたこのアルバムは、
ジャズの名盤として、多くの人に愛され続けています。

ジャズ初心者歴30余年の私も、
このアルバムとは、30余年のお付き合い。
とても大切なアルバムです。

時代を超えて愛される名盤は、若い3人を中心に作られました。

ボーカルのヘレン・メリル、25歳
トランペットのクリフォード・ブラウン、24歳
アレンジャーのクインシー・ジョーンズ、21歳

後世に残る音楽を作った、3人のプロフィールを紹介します。

ボーカルのヘレン・メリルは、ニューヨーク生まれ。
彼女の歌声は、「ニューヨークのため息」と称されたハスキーボイス。
都会のクールに女性らしさが合わさった魅力的な声です。

彼女は、日本に一時移住していたこともあり、親日家で知られています。
2017年に惜しまれつつ引退、東京でもラストコンサートを行っています。

現在、92歳。今も日本と日本のファンを愛してくれていることでしょう。

トランペットのクリフォード・ブラウンは、
卓越したテクニックと抜群のセンスで若くして一流ミュージシャンと共演、
素晴らしいキャリアをスタートさせたばかりでしたが、
残念なことに、交通事故により26歳でこの世を去っています。

活動期間は約5年と短いものでしたが、
今回紹介の「ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン」を含め、
彼の残した素晴らしい演奏は、今も多くのプレーヤー・ファンに愛され、
ジャズの歴史にその名を残しています。

アレンジャーのクインシー・ジョーンズは、
言わずとしれた、アメリカ音楽界の大御所プロデューサー。
「USAフォー・アフリカ」が歌う「ウィ・アー・ザ・ワールド」のMVで
大勢のスーパースターを前に、タクトを振っていた人です。

マイケル・ジャクソンのアルバム「スリラー」のプロデュースや
自身のヒット曲「愛のコリーダ」で名前は知っていましたが、
ポップミュージックやダンスミュージックの分野で活躍している彼が、
ジャズの名盤のアレンジを、しかも21歳の若さで!
初めて知ったときは、驚きました。
 
音楽界のレジェンドは、88歳の現在も現役。それも驚きに値します!
素晴らしいですね。

🎹  🎹  🎹

それではアルバム「ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン」の収録曲を紹介します。

🌸Spotifyのプレイリストを貼付けました。パソコンやスマホにSpotifyを入れて聴いて下さい。AmazonMusicでも全曲聴けます。

1.ドント・エクスプレイン(DON'T EXPLAIN)

オリジナルは「奇妙な果実」で知られるビリー・ホリデイ。
「黙って・・・言い訳しないで」から始まる、
浮気者の男を好きになってしまった女の切ない心の歌です。

2.ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ
(YOU'D BE SO NICE TO COME HOME TO)

オリジナルは映画の挿入歌。多くのボーカリストにカバーされています。
「あなたが待つ家に、帰ることができたら幸せ、
あなたといっしょにいられたら、どんなに素敵でしょう」と
愛する人への思いを歌っています。

3.ホワッツ・ニュー(WHAT'S NEW)

オリジナルは1939年録音のスタンダードナンバー。
「What's new? (あれから、どうしているの?)」と
彼女が訊ねる言葉から歌は始まります。
別れた男女が久しぶりに再会、彼女の問いかけの言葉だけが続きます。
最後の「I still love you so…(まだ、あなたを愛しているの)」が、
悲しく美しい…。

4.恋に恋して(FALLING IN LOVE WITH  LOVE)

オリジナルはミュージカルナンバー。
「恋に恋する私はおバカさんだったわ…」
失恋して少し大人になった女の子の気持ちを歌っています。
何だか楽しいのに、切ない歌です。

5.イエスタデイズ (YESTERDAYS)

こちらもオリジナルはミュージカルナンバー。
楽しく若かった過ぎ去った日々を振り返り、
「その日々が過ぎ去ったことは悲しいけれど、嬉しくもあるわ。
今は、過ぎ去った日々を夢見ることができるから。」
…心がしんみりとします。

6.ボーン・トゥ・ビー・ブルー (BORN TO BE BLUE)

オリジナルは男性シンガー、メル・トーメ。

ブルーは憂いや悲しみの色。
悲しく切なくどこまでも深いブルー。

「ブルーに生まれついて」しまった悲しさを、切々と歌います。
愛を失ってしまった歌の主人公は思うのです。
「私はまだ幸せなのだろうか。あなたを愛する喜びを味わえたから」
…切なく心に染みる歌です。

この歌について作家の村上春樹さんが、
著書「村上ソングス」で自身の訳詞とエッセイを書かれています。 
村上さんの訳詞はとても美しく、じーんと心に沁みるものでした。
ヘレン・メリルとクリフォード・ブラウンの
「BORN TO BE BLUE」についての解説も綴られています。
和田誠さんのイラストも楽しい素敵な本。おすすめです。

7.スワンダフル ('S WONDERFUL)

「ラプソディー・イン・ブルー」や「巴里のアメリカ人」で知られる
ジョージ・ガーシュイン作曲のミュージカルナンバーです。
「素晴らしいわ!とても素晴らしいわ!私を大切にしてね!
とてもいい気分!パラダイスだわ!それは私が見たかったものよ!」
愛し、愛される喜びを歌っています。ハイな気分!愛って素晴らしい!

🎹  🎹  🎹

アルバム「ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン」が、
気に入っていただけると嬉しいです。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。
また、お会いできるのを楽しみにしています。やんそんさんでした。


いいなと思ったら応援しよう!