
MTBの「フロートレイル」がすぐに飽きるのはなぜか?を“フローモデル”で理解する。
マウンテンバイクのパークライドで、「フロートレイル」のコースデザインがトレンドになっている。
「フロートレイル」とは、「ダウンヒル」に対しての定義みたいで、激しい「ダウンヒル」に対して、優しいものを「フロートレイル」と定義してそう呼び分けられている。具体的な違いでは、斜度の違いで定義されている。「ダウンヒル」はキツい、「フロートレイル」はゆるい。
「フロートレイル」がすぐに飽きるのはなぜか
これは簡単なことで、「単調な繰り返し」だから。で説明が終わってしまう。
フロートレイルのコース構成は、「縦方向にウネる路面とバーム」、その連続になるため、単調なところで同じような動作の繰り返しになる。
言い換えれば、ボールを転がしてもコースからはみ出ないようなコース設計をすることになるので、ライダーは何もしなくてよい。
ライダーは、ただただバイクの上に乗っかっていればよい。ギャップもほぼなくメンテナンスされた路面であれば、サドルから腰を上げて立つことすら不要になる。その上、サスペンションがハイスペックなバイクではあれば、ラグジュアリーなクルマでクルージングしているような状態と同じである。
プールで言うウオータースライダーみたいな、ある意味「オートマチック」な状態になるので、数本走ってコースレイアウトに走り慣れてしまうと、それ以上のバイクコントロールに余地が見出せずに、それ以降のライドは退屈になってしまう。
これは、「そういう仕様だから仕方がない」というほかない。そういうコースデザインであり、利用者を選定していることになるコンセプトなのだから。
そもそも、誰にでも万人向けに定義されているという意味合いも含む「フロートレイル」の特性みたいなものなので、そこに文句をつけるのも筋違いになる。
MTB経験者(とくに中級者)にとっては、フロートレイルがすぐに飽きるのは、自然なことである。理解した上でパークライドのフロートレイルをコースとして攻略した方が次なる遊び方を見出せて楽しめるのではないだろうか。
「フロートレイル」と「フローモデル」
同じ「フロー」だけど、違う「フロー」なんですが。
「フロートレイル」がすぐに飽きることを、心理学の「フローモデル」で説明がつき、理解しやすいのかな、と。
ミハイ・チクセントミハイのフロー (心理学)
心理学者のミハイ・チクセントミハイさんのフロー (心理学)
そのフローモデルによるメンタルステート図。
チャレンジレベルとスキルレベルの二軸で表される。
それに当てはめると、「フロートレイル」は「挑戦レベル」が「低い」状態で、「スキルレベル」が中位(ライダーが中級者として)とした時に、「退屈」となる。

マウンテンバイクで、「フロートレイル」って、そういうことなので、どっちかと言えば「テクニカル」な方向性を自分の中で意識することで、もっとマウンテンバイクは楽しく持続可能な遊びになるんだとは思う。
スキルレベルを高くし、挑戦レベルを高められれば、自分の中のフローが味わえる。「フロートレイル」内でテクニカルに遊ぶ。とか、「テクニカルトレイル」でフローに走る。とか。
MTBって自由な乗り物、創造力で遊ぶ、楽しさは自分次第。自分の腕次第。
「フロートレイル」が飽きちゃったら、ライディングテクニックをスキルアップしてみましょう。
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