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MAGDA2022in鹿児島(2022年11月1日~2日)

日本AEM学会主催MAGDA2022in鹿児島

鹿児島の講演会参加ははじめてだった。

鹿児島サンロイヤルホテル

せっかくなので、桜島が正面に見える鹿児島サンロイヤルホテルに滞在した

13階に温泉があり、ドライサウナと水風呂も完備している。
ドライサウナは天井近くの温度計で90度、水風呂はぬるめだが気持ちが良かった。湯船の正面に桜島の雄大なパノラマが広がるロケーションが素晴らしかった。
脱衣場には、一昔前に話題になった「深層水」のサーバーがあり、無料で飲み放題だった。

入浴時間:午前6時~10時、午後3時~12時(サウナも同じ)
12階に休憩ロビーがあり、桜島を眺めてゆったりくつろげる。こちらは24時間開いていて、酒類とドリンクの自動販売機が置いてある。

13:15〜16:15 OS-8 次世代アクチュエータ

⼤研修室2
オーガナイザー:⽮野 智昭(岡⼭⼤学), 古⾕ 克司(豊⽥⼯業⼤学)
座⻑:⽮野 智昭(岡⼭⼤学), 古⾕ 克司(豊⽥⼯業⼤学)

次世代アクチュエータのセッションは12件。
座長は、毎年春に開催されるSEADおよび秋に開催されるMAGDAで「次世代アクチュエータ」のオーガナイザを務めている古谷克司先生と分担する。
古谷克司先生とはず~っとご一緒してきている仲で、JAXA共同研究繋がりでもある。
OSの発表件数はじり貧で4件まで減少した時もあり、今回は盛り返してきた。
平田勝弘研究室の部矢先生が名古屋大学に移り、研究体制が安定してきたのが大きい。部矢先生は今後の「次世代アクチュエータ」を牽引していくホープだ。

私は前半6件の座長を担当し、12件の講演について若手の賞の審査も行った。

OS-8-1 3 軸⼀体能動制御型磁気軸受の可変構造型⾮線形外乱制御系の提案

丸⼭ ⽻⾐,部⽮ 明,平⽥ 勝弘
磁気軸受の5軸のうち3軸を95N~200Nの大支持力で外乱補償制御する。オブザーバを応用した研究

OS-8-2 深層強化学習を⽤いた球⾯アクチュエータ3 ⾃由度姿勢制御のための報酬関数の検討(矢野の注目論文)

正⼒ ⼀樹,部⽮ 明,平⽥ 勝弘
昨年度優秀論文賞を受賞し、本講演会で受賞講演を行った論文の続報。
昨年の論文では2方向までしか制御していなかったが、報酬関数を加算から積算に変更することにより、3方向目(Z 軸)も姿勢制御が可能になった
Q:報酬関数を変更して不利な点はありませんか
A:収束が遅くなり、外れ値もふえました

OS-8-3 FePt 厚膜磁⽯を⽤いたマイクロポンプ⽤MEMS 電磁アクチュエータ

⻫ 超,永井 慧⼤,紀 明,宮原 悠,杉⽥ 直広,進⼠ 忠彦,中野 正基,佐藤 千明
外国の方が英語で発表。
英語、かつ私の近しい分野からズレた内容をいきなり本題から入ったのでポイントがよくわからず、発表の前提となるポンプのしくみや今回の発表の利点を質問してしまった。
若手賞の対象発表だったので私の質問は核心に触れていなくてちょっと気の毒だったが、イントロなしに研究内容に入った点はよろしくないので推薦はしなかった

OS-8-4 深層強化学習による多⾃由度球⾯アクチュエータのロバスト制御の実験検証

房安 浩嗣,平⽥ 勝弘
コギングトルクの値が3倍ズレても制御を可能にするロバスト制御器を機械学習で訓練する内容。
学習すればコギングトルクのデータなしでも制御可能になるだろうか?

OS-8-5 ロケット⽤液体⽔素ターボポンプのための多⾃由度渦電流ダンパの基礎検討

梅川 侑⼤,部⽮ 明,井上 剛志
液体水素ターボポンプの振動抑制が課題。
ロケット周りは高温になるので油やゴムは使用禁止
渦電流ダンパの適用を提案する

OS-8-6 扁平構造を有する3 次元⼒覚提⽰アクチュエータの実機検証

⼭本 翔⼤,部⽮ 明,平⽥ 勝弘
1軸方向の力覚提示を3軸方向に拡張する
コンパクト化に成功した点がポイント

OS-8-7 永久磁⽯バイアス型インダクタを⽤いた⾮線形LC ラダー回路上で励起される磁気ソリトンの測定

尾⽥ ⾏史,加藤 雅之
メカニカルソリトンの研究を磁気回路に実装する。
進行型ソリトンにより、直進磁界(リニアモータ)、回転磁界(回転モータ)の生成を目指す。
現状はソリトンの減衰が生じている。減衰をなくすと簡易モータが実現する

OS-8-8 4 相駆動3 ⾃由度球⾯アクチュエータの特性検証(矢野の注目論文)

⽟置 悠祐,部⽮ 明,井上 剛志
4組の電磁石で3自由度球面アクチュエータを駆動する
実用化すれば球面モータ本体の小型化や制御の簡素化につながる

OS-8-9 デュアルアキシャルギャップ型⾼速誘導モータの磁気負荷特性の検討(EVに革命を起こす誘導モータ開発のレビュー)

榎園 正⼈,若林 ⼤輔,岡 茂⼋郎,祖⽥ 直也,⾼井 充,加治屋 強,岡本 幸三,Kay Hameyer,Martin Nell
本セッションの10分の発表時間ではもったいない内容
薄板鋼板を巻鉄心とし、渦電流損を350ミクロン薄板の数十分の一に減らしたステータコアを用いて誘導モータを設計・試作し、評価実験まで行った結果報告

OS-8-10 加熱円柱周りの感温性磁性流体熱流動3次元数値解析(矢野の注目論文)

鈴⽊ 隆吾,岩本 悠宏,井⾨ 康司
感温性磁性流体を熱輸送に用いる構造の提案
低温発電につながる重要な技術

OS-8-11 全⽅向に均⼀に減速可能な球⾯減速機の⼩型化に向けた逐次⼆次計画法の適⽤と最適解の妥当性の検討(指導学生の研究発表)

利根川 浩⼀,五福 明夫,笠島 永吉,⽮野 智昭,下岡 綜
研究室のM2、利根川君の研究成果発表だ。
発表はほぼ時間ピッタリで、Q&Aもちゃんと返答でき、ほっとする
Q1:山形大学の球面歯車とどこが違うのですか?
A1:あちらは1軸回転二つを球面運動に変換する機構ですが、こちらは球面から球面への運動変換機構です
Q2:すべりは大丈夫ですか?
A2:ざらざらした表面にするとか、柔らかく、凹凸がはまりこむ表面などを検討しています
Q3:中間球は2箇所に配置できますよね?
A3:駆動球と中間球のなす角度と出力球と中間球のなす角度を等しくする必要があるので、中間球の位置は片側に決まります
Q4:各球の中心が一直線上にある時など特異点は出てきませんか?
A4:特異点はありません

OS-8-12 磁気マイクロアクチュエータに向けたレーザ局所加熱を利⽤する微細多極着磁法における永久磁⽯材料の探索

永井 慧⼤,杉⽥ 直広,進⼠ 忠彦

現状の微少着磁方法であるレーザアシスト加熱着磁をスリットレスに改良することにより、0.5mm角領域ごとに着磁方向を変えて着磁することに成功した
着磁条件を分析し、さらに調査・評価まで行っている
イントロから結言まで発表も非常にわかりやすく
おそらく3名の審査員が全員推薦したのではないか。
頭一つ抜きん出た発表で、閉会式の場で若手優秀賞受賞が報告された。

感想

研究発表は深層学習を用いるのが大流行だ。
岡山大学に帰ってからのゼミで五福明夫先生が「感想は?」と聞いてきたのに対し、利根川君は「深層学習を使う研究発表が多いと感じました」としっかり感想を述べた。

おわりに

コロナが蔓延する中、対面オンリーかつ懇親会ありで開催にこぎ着けた関係者の努力に感謝します。
懇親会会場が、コロナで断られてなかなか見つからなかったとのことでしたが、盛況のうちに終わって良かったです。
やはり、対面はZOOMとは楽しさが違います

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