見出し画像

なんで?

お寿司の配達アルバイト

大半が大学に行ったのに、自分は早く手に職をつけて働こうとゲームの専門学校に行った。

そこまで言うほどに才能も情熱もなかった自分は結局、ゲーム会社には行けなかった。

学費は親に出してもらったが、自分の生活・趣味は自分で稼がないといけなかったので近所のスーパーの軒先でお寿司の販売と配達をする事業をしているところでアルバイトを始めた。

お寿司のデリバリーを車で。今なら、それなりに需要はありそうな仕事。
地元はそれなりに田舎なのでお盆や正月、大型連休には5人前の桶が1軒で3や5、10とかもざら。

1人暮らしの人の家に配達することもあったし、工場の女子寮へ配達する時はちょっとドキドキした。玄関に見た目の怖いハスキー犬がいる家では玄関から呼びかけた。いろんな家に入っていくのは、それだけで面白い。

地元の地理をよく知ることができた。
信号の変わるタイミングや裏道も覚えた。
自分にとってはお金も得られて接客も覚えられて、電話応対も車の運転も身につけられる、いろいろと有意義なバイトだった。

たまに鉄火巻きや胡瓜巻きなどの巻物を作ることもあった。
お寿司はご飯やネタが休み前などで余ったら、自分が持ち帰るために少しばかり握ったりしていた。

◇◇◇

持ち帰ることについて

売れ残った商品を持ち帰ることもたまにあった。
今だと許されないところがほとんどだが、半額にしても売り切れなかった商品を持ち帰って食べれたことは学生の身分のおいてとても貴重だった。

特に「本カニ巻」という商品名のお寿司が売れ残った時は、
「喜んでいただきます!」
と持ち帰っていた。
トップの写真は「かに本家のかに寿司」で全然、違う商品なのだが、味的には同じような感じ。

でも、たまに自分で本カニ巻を巻くこともあり、お店で
商品を目立つように並べ、声を張り上げてスーパーから出てきた人に呼びかけていたから圧倒的に思い出の「本カニ巻」の方が美味しい。

とっくの昔に事業がなくなり、もう二度と食べることはできない味だけど、かに本家のかに寿司を食べるといろいろなことを思い出す。


◇◇◇


職場の人間関係について


元ヤンの店長・・・まだ若い。そして、どう見ても顔が優しい。
たまに夜に迎えに来る彼女にも優しい。スタッフにも基本的には優しい。

山本さん・・・影のリーダー?バイトの奥様連中をとりまとめる、しっかりした人。見た目は18号タイプ。キツそうだが、いい人。ツッコミ担当。

五十川さん・・・ムードメーカーのおばちゃん。仕事中も仲良しの山本さんとの漫才が突然始まる。ボケ担当。よくしゃべる小柄なメガネ。

ソバージュ先輩・・・配達要員。ソバージュ。タイトなスカートで車から降りるとスラリと伸びる足。美人ではある。見た目通り、きつい。

エイサク先輩・・・配達要員。ツーブロック。見た目は格好よくないリヴァイ。一見優しい。たまにキレる。長いものには巻かれるタイプ。

マスミ先輩・・・いつもニコニコ笑顔。おたふく。怒っても笑ってる。
胸が大きい、可愛い美人。彼氏の話を山本さんに相談していたりする。

※名前は適当ですw

◇◇◇

配達スタイル

電話を受ける。電話番号を確認する。
パソコンで前回、前々回の注文・住所を確認。
新規なら住所を聞いて、後でパソコンに入力。

地図はゼンリンの住宅地図が事務所と車にあった。
ページと座標記号が領収書/注文書に印刷される。
定規で領収書と注文書を切り分けて、領収書を配達先に商品とともに渡す。

配達の制服は男性はシャツにベスト。冬はブレザー。
自分は自前でブレザーを用意した。その後も着たから元は取ったけど。
ソバージュ先輩は、なぜかシャツにベストで、タイトな黒スカート。

黒いポシェットに、お金を小銭を入れてきっちり1万円とか2万円とか配達する件数に合わせて入れておき、配達先に合わせて腰に装着して出かけていた。

配達から戻ってきたらポシェットをクロスチェックして金額を補充する。

寿司屋の配達にしては・・・面白いね🤣


◇◇◇


ある日の出来事

Aさん、Bさん、Cさん宅から同時に注文が入った。
ソバージュ先輩は既に別の注文で今から出かけようとしているところ。

注文を見て、ソバージュ先輩は

「ここ、ここ、ここ。この順番で行って!」

と言った。

自分は

なんで?・・ですか?」

と聞いた。

ソバージュ先輩は👿ハア??といった感じになり、そのまま配達に出かけてしまった。

はて??

と思いつつ、自分は自分で適切だと思う回る順番を考えて配達に出かけた。


後日、店長に呼び出された。

「言葉遣いに気をつけて! 先輩に対して なんで は良くないよ」と

なるほど…そうかぁと思った。

「どうして?」だったら良かったのかな?

それとも聞くな!従え!ってことだったのかな?


小さい頃から、母親に「なんで?なんで?」と聞く子供だった。
身内への聞き方を先輩にするもんじゃないとは思うけど。

つい、うっかりね。クセが出てしまった。

バレーボール仲間のみんたさんには
なんで?」をしょっちゅう使っていて
「質問に質問を返さないでください」と
言われるから「なんで?」と返すけど。

ちょっとぐらい怒らせてもお互い様のいい関係である。
向こうがどう思っているかは知らないけど既に20年近く続けている関係だ。

「なんで」は良くないかも知れないけど、たまに使っちゃうなということを #なんでnoteを書くのか
というハッシュタグを見て思い出し、気になった。

関係性で言葉遣いを変えなきゃね。
でも、近づきたいからあえて使うこともあるかな?
いろいろ難しいなぁ。


終わり


#自分にとって大切なこと

サポートいただけると喜んで活動するタイプです。どうかよろしくお願いいたします。(^o^)