メタバースで理科教育

自己紹介

やのせん(twitter:yanosen_jp)と申します。大阪某所の大学で生命科学の教員をしてますが、主な研究活動はVR教育についてです。

Facebookで教師のためのVR活用術というグループを運営してます。VR教育に関するグループとしては日本最大です(当社調べ)。毎日VRと教育に関する情報を投稿してます。毎週日曜はバーチャル空間でMeetupもしてます。VR教育、メタバースを活用した教育に関心ございましたら、是非ご参加ください。

メタバースとは

ここ最近、メタバースという言葉がメディアで話題になってますが、ここでは、とりあえず「バーチャル空間」と同義だと思ってください。そして「バーチャル空間」とはコンピューターによってインターネット上に生成された3D空間と思っていただければ良いです。バーチャル空間はPC, スマホ, VRヘッドセットどれでアクセスしても良いですが、もしVRヘッドセットでアクセスすれば「VR体験」ということになります。

メタバースを理科教育にどう応用するか?

「VR」で理科教育というと、ヘッドセットを被って実験のシミュレーションをする、というイメージが強いと思いますが、ほとんどの学校では学生全員にヘッドセットを準備できないでしょうから、「VRで理科教育」というのは現実的ではないですね。
一方、「メタバース」、すなわちここでは「バーチャル空間」を用いて理科教育という場合、PC上でもできる教育実践を含みます。なので、実験のシミュレーションより

  • タンパク質の3Dモデルを観察する。

  • 神経細胞の3Dモデルに、部位の名前をタグづけする。

  • 細胞の構成要素の3Dモデルを組み合わせて、細胞を完成する

といったシンプルな作業が中心になります。それでも、授業や動画を見ているよりは能動的な学習活動になりますよね。何より、PCでアクセスできるのでBYODを導入している学校、GIGAスクールなどでは実践しやすいはずです。

Mozilla Hubsを用いた実践例

バーチャル空間を作成、公開できるサービスはいくつかありますが、私の教育実践ではMozilla Hubsを用いています。なぜなら

  • 無料

  • ウェブブラウザでバーチャル空間の作成、公開、閲覧ができるため、アプリのインストールが不要

  • 閲覧については、ユーザー登録も不要

  • 軽量でChromebookでも動作する

  • バーチャル空間のエディタがシンプルで使いやすい(その分、できることも少ない)

といった利点があるからです。弊学はBYODであるものの、PCのスペックが貧弱である学生も多いので、手軽なのが一番です。

私は、今年の前期授業からMozilla Hubsで作ったバーチャル空間の利用を開始しました。講義の前の事前学習資料、授業内の作業課題としてバーチャル空間を使ってます。下の動画は、原核細胞と真核細胞をテーマにしたバーチャル空間資料の例です。

下の写真のシーンでは、リボソームにおける翻訳のプロセスについて学んでもらうため、tRNAを操作して、リボソームに結合しているmRNAに結合させる作業をしてもらいます。作業が終わったら、画面のスクリーンショットを提出してもらって評価します。

学生からの反応

授業アンケートなどでの回答を見る限り、学生の反応はとても良いです。授業理解に役に立った、飽きずに勉強できる、などの声をもらっています。

自分も作ってみたい、と思ったら

YouTubeで解説動画を公開しています。こちらのプレイリストが参考になると思います。わからないことは、FBグループで聞いてください。







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