『PLAY』

11月29日、ももいろクローバーZの配信ライブ『PLAY』が行われた。今年、有観客ライブが行えない状況の中で配信ならではのライブを目指すと公言してきたももクロチーム。その中でも今回のライブは印象的だった。
 
 定刻通りに配信ライブがスタートすると、すでに四人の姿が映し出されている。しかも、流れ出したのは『OVERTURE』。いつもは、『OVERTURE』でテンションを高めて、メンバーの登場で最高潮に達してライブのスタートする。もしくは、『OVERTURE』ではなく曲のパフォーマンスでライブがスタートする、このどちらかのパターンが多い。しかし、今回はメンバーはいる、パフォーマンスはまだしない、流れているのは『OVERTURE』。オープニングから新しい。

一曲目 新曲『PLAY』
 静かなピアノの伴奏にのせて四人によって歌われるメッセージで静かに始まり、ポップなメロディと背景で展開する鮮やかな演出。この曲自体が『PLAY』のテーマとして作られていて、歌詞に込められたメッセージとXRで展開される演出で、一気に配信ライブの世界に引き込まれる。
 
二曲目 『The Diamond Four』
 ライブ序盤の上げ曲として定番になってきたTDFは、配信ライブの形として定番になってきた移動曲に。演出はオープニングのデジタルな演出とは打って変わってアナログな演出で、壁に貼り付けた歌詞や歌詞の書かれた幟を移動しながら歌い、躍動感を魅せてくれる。

三曲目 『マホロバケーション』
 衣装のせいか、今までよりパフォーマンスが大人っぽく感じる。佐々木さんのカメラワークを意識した視線の振り方は流石。個人的に、百田さんがどの辺の音からファルセットに入るかを、楽しみに聞いている曲でもあります。

四曲目 『ゲッターン』
 マホロとの対比もありアイドルらしい可愛さも魅せてくれるパフォーマンス。足を外側に跳ね上げる振りとかは、何回見ても可愛い。あの振り、個人的に大好きです。そして、ラインで揃ってステップを踏む所は綺麗に揃っていて流石。

五曲目 『Chai Max ZERO』
 ここで、アベマのアンケート機能を利用した、視聴者による選曲の第一弾。選択肢は『Chai Max ZERO』と『Stay Gold』。結果は、最近のライブでパフォーマンスする事が少なかった『Chai Max ZERO』が選ばれる。向かい合って、手をグルグル回す振りが可愛い。動く床の仕組みは、錯視を利用した演出?こういう視覚的な楽しみも入れてくれるのは嬉しい。

六曲目 『ゴリラパンチ』
 ここでも、あえてアナログの演出を使う。アラフォー以上の世代にはわかる、ジオラマによる特撮オマージュ。大型船舶を持ち上げたり、飛行機を掴んだりは、怪獣モノの定番演出。更に、ランドマークを怪獣が持ち上げるように、佐々木さんがスカイツリーを豪快に持ち上げて、盛り上げる。怪獣になりきった佐々木さんが魅せてくれた。

七曲目 『DNA狂想曲』
 視聴者アンケートの二曲目は、現在のももクロの表現力で魅せてくれる新しい定番曲『天国のでたらめ』と、ファンの中でずっと人気上位に居続ける定番曲『DNA狂想曲』の選択だったが、後者が選ばれた。この曲は強い言葉を使ったメッセージソングだけど、特にライブで聴くとグッと心に響いてくる。

ハ曲目 『あんた飛ばしすぎ‼︎』
 ももクロと言えば茶番。とは言え、四人の真面目な演技によるショートドラマが入り、よく分からない理由で衣装が変わる(笑)そこからMVの衣装で『あんた飛ばし過ぎ‼︎』のパフォーマンス。個人的に、あの眼鏡姿の玉井さんが好きなので、凄く嬉しかった。

九曲目 『DECORATION』
 この曲は、特に今回のマルチアングルを活用する演出になっていた。メンバーが二手に分かれてパフォーマンスしており、通常画面では二つの場面がパート毎に切り替わる。マルチアングルで選択すると、どちらかに固定した画面で見られる仕様だったので、アーカイブで三回は楽しめる曲。

十曲目 『ももクロの令和ニッポン万歳』
 四十七都道府県が歌詞に入っているこの曲では、色鮮やかな日本地図の上をメンバーが移動しながらパフォーマンス。実際にセットを作ってパフォーマンスする魅力を感じさせてくれた。

十一曲目 『笑ー笑〜シャオイーシャオ!』
 この曲は凄く素敵な歌詞で優しいメロディなんです。聴けば聴くほど素敵な曲だと思う曲。この曲を真っ直ぐにももクロが届けてくれる。本当に素敵な曲。そして、ジャッキーチャンのネタ。僕は大好きですが、あれもアラフォー以上しかわからないでしょ(笑)

十二曲目 『月色chainon』
 来年公開のセーラームーンの映画主題歌。白いドレスに身を包んだ四人の大人の魅力を感じさせるパフォーマンス。優しく柔らかな雰囲気で、新しい一面を魅せてくれた。

十三曲目 『月と銀紙飛行船』
 視聴者選択三曲目の選択肢は『月と銀紙飛行船』か『イマジネーション』。ここでも、四人になってからのパフォーマンスが少ない『月と銀紙飛行船』が選ばれた印象。バレーダンサーと共に、バラードの物語を魅せてくれた。

十四曲目 『クローバーとダイヤモンド』
 最後の曲は、困難に負けずに進むというメッセージソングで最後を締め括る。メッセージソングを明るく響かせてくれるのは、ももクロの魅力だと改めて感じる。

 楽しく遊びながら少し沈んだ気持ちを持ち上げてくれるような配信ライブだった。これが出来るのは、ももクロの明るさだったり真っ直ぐさが人の心に届くからだと、改めて思った夜だった。

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